酒造りの温度管理とは
お酒造りは各工程で温度管理が重要です。
酒造りの季節には酒蔵からの問い合わせが多くなります。みなさんかなりの高精度な温度計を求められることから、酒造りでの温度管理の重要さが伺えます。
日本酒作りには下記のような工程があります。
精米→蒸米→麹作り→もろみ作り
大まかですがこのような流れになります。このすべての工程で温度管理が重要となります。
特に麹作り、もろみ作りでは温度管理が味を決める要になると言っても過言ではありません。
それでは酒造りにはどのような温度計を選べばよいのでしょうか。
酒造りに適した温度計とは
冒頭にお伝えしたとおり、酒造りでは温度が少し違うだけでも狙い通りの味にはなりません。そのため、酒造り用の温度計には精度が求められます。
それともう一つ重要なのがセンサーの長さです。
日本酒は2Mも3Mもある大きなタンクで製造されます。そのため、短いセンサーだとお酒まで感温部(センサー先端の細くなっている部分)が届かずに測定できません。
お酒まで届いたとしても、タンクの上部を測定したいのか、真ん中付近を測定したいのか、下部を測定したいのかによって必要なセンサーの長さが変わってきます。
そのため、お酒造りの温度計は①精度、②センサーの長さが重要に鳴ります。
精度が良い温度計は他の記事でも紹介している通りいくつもあります。ただ、精度が良くてセンサーの感温部が長い温度計はあまりありません。
精度が良い温度計というのは基本的に校正用として使うことが多く、あまり長いセンサーの需要が無いためです。そのため、一般に売られている精度が良い温度計のセンサーは長さ30cmより短い事が多いです。
タンクの大きさにもよりますが、お酒の温度管理をするなら出来ればセンサーの長さが1.5Mは欲しいところです。
それではどのように長いセンサーを手に入れればよいのでしょうか。
それはメーカーに特注で依頼することです。
特注と聞くとちょっと躊躇してしまいますが、温度センサーというのは特注が当たり前の世界です。温度センサーはいろいろなところで使われているため、ユーザーごとに必要なセンサーが違います。
感温部が3M欲しい、コードを10Mにして欲しい、センサーをL字に曲げて欲しいなど日常茶飯事です。
そのため、必要なセンサーが無いときはメーカーに問い合わせてみましょう。
すべてのメーカーが特注に対応しているわけではないですが、自社で工場を持っているメーカーならばほとんど対応できるはずです。
こちらはチノーのMC1000です。チノーばかり紹介している気もしますが良い製品が多いんです(笑)
上記の製品は温度計の本体のみの価格です。ここに特注センサーの費用がかかります。
熱電対センサーと測温抵抗体センサーを接続することが出来ますが、必ず精度のよい測温抵抗体センサーを選んでください。
なぜチノーの温度計をご紹介したかというと、チノーは温度センサーのメーカーとしてもとても有名です。そのため、特注で対応できる幅が広く品質も良いです。
温度計は海外から購入してきてそのまま販売しているメーカーもありますが、チノーを選んでおけば安心という理由からご紹介させていただきました。
実際に購入するときはチノーに問い合わせが必要です。メーカーは基本的に直接の販売はしないので、近くの代理店を確認することになります。
対応したかたが親切な人であれば、代理店に対してあなたに販売可能か確認してくれるでしょう。
購入できるルートが見つかったら、今度はどんな製品が欲しいのか伝えることになります。
今回の場合は、
①MC1000に使用する測温抵抗体センサーが欲しい
②測定する温度を伝える
③センサーの長さと太さ(強度を保つために直径はφ4は欲しい)
④コードの長さを伝える(1Mくらいが標準)
このあたりを伝えれば見積もりが出てくるでしょう。
できれば何に使うのかあなたの状況も伝えるとより合ったものを選定してくれるはずです。
この記事を書いていて思ったのですが、こんなマニアックな記事に需要があるのでしょうか。。
家庭で使うお酒の温度計
こちらは片力商事の日本酒計です。日本酒用の温度計は酒温計やお燗メーターなどと呼ばれたりもします。
この日本酒計は業務用ではなく完全に家庭用なのですが、日本酒好きな人にとってはとても便利な温度計です。日本酒を温めるとき、温度によってぬる燗、熱燗、飛び切り燗など温度によって呼び方が変わります。
日本酒通になるとこの温度じゃないとダメという人も多くいます。
燗をするときにこの日本酒計があれば好みの温度で温められますので、晩酌のレベルを1段階上げるために1本いかがでしょうか?
まとめ
酒造りの温度計は精度が重要です。
精度の良い温度計を購入して、思い通りの日本酒を造れるように温度管理をしましょう。
もう一つ重要なのがセンサーの長さです。
置きいタンクで日本酒を作る場合、タンクのどのあたりを測定したいのかで必要なセンサーの長さが変わってきます。
精度が良くて長いセンサーは既製品ではほとんど販売していないので、メーカーに特注の問い合わせをして見ましょう。