中心温度計の選び方④防水性能

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水場で使うものだから防水性能はとても大事

中心温度計にとって防水性能はとても大事です。HACCPを導入すればほぼ間違いなく使用する中心温度計だから、どれを選んでも防水になっているだろうと考えるのは大間違い!

防水性能がほとんどない中心温度計だって世の中にはたくさん存在します。

中心温度計は何も食品の現場だけで使われるわけではありません。

工業系の工場で油の温度を測定したり、空気の温度を測定したり、樹脂の温度を測定したりなどさまざまです。

ですので食品向け以外の中心温度計を間違えて購入してしまうと防水性能がまったく無かったなんてこともありえますので注意しましょう。

また濡れた手で触ったり、水道の近くなど水場使用する温度計だからこそ防水性能は事前にチェックしましょう。

防水性能はIP××という表記がされます。ここからどのように防水性能を読み解けばいいのでしょうか。

次の項目で分かりやすく説明したいと思います。

防水性能のIP××ってなに?

温度計の防水等級はほとんどの場合、IP××と記載されています。

もともとこの防水等級はIEC(国際電気標準会議)規格で定められており、日本でもJISでIEC529に準拠してIP表を規格化しています。

IP××の×には数字が入ります。

前の×は防塵等級。後ろの×は防水等級です。

IP×5だったら、防塵(粉体に対する耐性)性能はないけど、防水が5番目の性能という意味です。

防水等級は0~8まであります。

8が水中で使用できるくらいの防水なのですが、ここまでの防水の中心温度計は基本的に売っていません。

ですのでほとんどが7以下の等級になります。

簡単に言うと

防水等級7が少しなら水に沈めても使用できますよ

防水等級6がいろいろな方向から強い勢いの水がかかっても大丈夫ですよ

防水等級5がいろいろな方向から水がかかっても大丈夫ですよ、強い勢いの水はやめてね

防水等級4が水滴ならいろいろな方向からあたっても大丈夫ですよ

防水等級3以下はあえて購入する必要も無いと思うので、説明は省きます。

丸洗いするなら防水等級6以上は欲しいところです。ただ、最近の中心温度計は防水等級7が主流ですので、できれば防水等級7の温度計を探して見ましょう。

防水なのに蒸気が当たるとだめって本当?

温度計の故障で多いのが蒸気による水分の内部への侵入です。
蒸気も水だから防水性能があれば大丈夫でしょ?と思う人が多いですが、これは間違いです。もちろん蒸気に対しても強ければいいのですが・・
先ほどのJISの等級を見ると噴流水や飛まつなどすべて液体の状態に対する保護内容となっています。
水が気体になると粒子が細かくなるので、いくら防水であっても隙間から水分が浸入してしますのです。
温度計のような電子機器にとって水分は天敵です。すぐに壊れてしまいます。
数万円する温度計ですからできれば長く使いたいですよね。
センサーを長持ちさせる方法は「中心温度計の選び方②センサー」で説明しています。
大抵のメーカーは水蒸気が原因で故障したとしても保証はしてくれないので気をつけましょう。

IP×7のオススメ温度計は?

 

別の記事でもご紹介していますがこちらはCHINOのMF500です。

こちらは防水機能を高めるため電池の交換ができませんが、IP67です。

一日3時間の使用で2時間以上使えますので、電池交換ができなくても問題は無いでしょう。こういった一体型の温度計は2年経つ前に破損してしまうことがほとんどです。

IP67で防塵性能もあるため、小麦粉などの粉が舞っている環境での使用もできることがポイントです。

精度も±0.5℃( -9.9~99.9℃ の範囲)で、反応速度もわずか2秒です。

丸洗いもできて言うこと無しですね。

こちらは佐藤計量器製作所のSK-270WPです。

こちらもIP67で防塵・防水性能ともに文句ありません。

丸洗いできるのはもちろんのことですが、SK-270WPは本体材質がポリカーボネートでできているので消毒のためにアルコールで拭くこともできます。

本体材質はABS樹脂でできているものが多いですが、ABS樹脂はアルコールで拭くと細かなひび割れができてしまうことがあります。

ひび割れができるとひびに雑菌がつまり衛生的によくありません。

アルコール消毒もお考えでしたらSK-270WPはとてもオススメです。

まとめ

防水性能の大事さはわかっていただけたでしょうか。
温度計を選ぶだけでもいろいろ考えることが多くて大変ですよね。
希望の使用すべてを満たすことは難しいかもしれませんが、絶対にはずせないポイントを決めて選定をすれば満足いく温度計にであるのではないかと思います。
温度計を選んで手元に届いたら、防水でも蒸気はだめと言うことを意識して使用してみてください。きっと長く使える温度計になるはずです。
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