触らないで温度を測定できる放射温度計のメリット・デメリット

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放射温度計ってなに?

 

放射温度計って知っていますか?食品の世界では中心温度計とまでは行かないにしても、よく使われている温度計です。

放射温度計の正式名称は「赤外線放射温度計」といいます。

温度があるすべての物体は微弱ながら赤外線を放射しています。その赤外線を感知して温度として表示するのが放射温度計です。

放射温度計のメリットは、①触れずに測定できる、②一瞬で測定できるの2点です。

①触れずに測定できるのは食品の現場ではとてもいいことです。触れてしまうと食材に雑菌が付着してしまう可能性があるので、触らなくていいのであればそれに越したことがありません。

②一瞬で測定できますので、例えばベルトコンベアで流れる食品の温度測定・食材の受け入れの時の温度確認など時間が無い測定に向いています。

デメリットとしては①表面温度しか測れない、②中心温度計に比べると誤差が大きいの2点です。

①表面温度しか測れないは、放射温度計の原理上仕方の無いことです。

物体が放射している赤外線を感知する以上、内部の温度測定ではなく表面の温度測定となってしまいます。物体の中心温度を測定できる放射温度計は存在しません。

②中心温度計に比べると誤差が大きい、ですが誤差は大体2~3℃くらいあります。中心温度計の0.5℃~1℃と比べるとだいぶ大きいですね。

この2つのデメリットに注意して放射温度計を選定していきましょう。

放射温度計はどんな場所で使うの?

 

放射温度計は素早く表面温度を測定できる温度計です。

中心温度計のように内部の温度は測れません。

主に使用する場所としては、先ほどのベルトコンベアーなどで流れる食品・食材の荷受時の温度チェックをはじめとして、フライパンが熱くなっているかの確認・中心温度計で刺せない様な薄い諸侯財の温度チェック・大型の鍋で中心温度計が届かないような食品の温度チェックなどに使用できます。

食品以外ですと、人が危なくて近づけないような環境で離れた場所からの温度測定・電気が流れている配電盤などの温度測定・天井の温度測定など多くの場所で使用されています。

食品にはどんな放射温度計が向いているの?

なんとなく放射温度計って便利だなーと思ってきたのではないでしょうか。

そんな方は、放射温度計はそれほど高いものではないので1台試しに購入してみることをお勧めいたします。放射温度計は目的にあっているととても便利なので購入してどこで使えるか試してみると意外な使い道が見つかるかもしれません。

また、HACCPでは食材受け入れ時の温度管理はとても大事になってくるので放射温度計を買ったけど使い道が無いなんてことにはならないでしょう。

それでは食品向けにはどのような放射温度計が向いているのかご紹介していきたいと思います。

こちらはCHINOの防水型放射温度計IR-TE2です。

実は放射温度計で防水って珍しいんです。

放射温度計はレンズと測定対象の間に何か物体があるとそちらの温度を測定してしまいます。湯気が大量に出ている鍋を測定すると湯気の温度を拾ってしまいます。

ですので、防水型であってもレンズに水滴が付着していれば正しい温度は表示しません。

そのようなことを考えると、放射温度計のそういった特性を知っていれば防水にしてもぬれたら正しい温度は測定できないからあまり意味無いんじゃないかと考えが至るのではないでしょうか。

ただそうは言っても食品の現場でまったく濡らさないなんて事はなかなか難しいですよね。

うまく測れないとしても防水であれば壊れないので、防水があったほうがいいだろうと言う考えの下、防水型放射温度計は作られているのではないでしょうか。

IR-TE2はIP67ですので丸洗いも可能です。放射温度計ではここまでの防水はなかなか無いのでさすがCHINOといったところでしょうか。

こちらは佐藤計量器製作所のSK-8950です。

防水はIP54とそれほど高くないですが、濡れた手で操作できますので、水が直接かかるのに気をつければ使用することができるでしょう。

こちらの良いところは、形状がガンタイプとなっているところです。

先ほどのCHINOの製品はどこに向けて測っているのかちょっと分かりにくい形をしています。それに比べてSK-8950はガンタイプですのでどこに向けて測定しているのか感覚的に分かりやすくなっています。

放射温度計はガンタイプの形状が主流ですので、測定のしやすさはSK-8950に軍配が上がるのではないでしょうか。

さいごに

放射温度計は素早く触れないで測定することができるのでとても便利な製品です。ただ、その代わり正しい知識を持って使用しないと誤差が大きくなってしまう温度計でもあります。
測定はボタンひとつでできますが、正しい測定は知識がないとできません。
現在使用している方々は取扱説明書をさらっと読んで使用している人が多いと思います。
正しい測定ができなくては、測定している意味がなくなってしまうので、今後の記事で注意点を書いていきたいと思います。
正しい製品選定、正しい取り扱い方法を知ってこそ測定には意味があります。どうせ測定するならしっかりと意味がある測定をしていきましょう。
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