熱中症を防ぐには、危険度を確認できる温度計が必須です。
自分の感覚で「熱中症になりそうだな・・」と判断すると既に手遅れの場合もあります。
そこで今回は、熱中症になりやすい環境や、熱中症対策のための温度計の選び方について解説します。

熱中症を防ぐには温度測定が重要

熱中症の予防には温度計を使うことがおすすめです。その理由として、熱中症は以下のような環境で発生しやすいためです。
気温が高い場所
夏の暑い時期は、身体に熱が溜まりやすくなるため熱中症の危険が高まります。
湿度が高い場所
人間の身体は汗が蒸発することにより熱を奪い、体温を下げています。
湿度が高いと汗が蒸発する量が少なくなるので、上がった体温を発散しにくくなります。
無風の場所
人間の身体に風が当たると汗が蒸発しやすくなり、効率的に体温を下げられます。
無風の場所では、汗の蒸発する量が少ないため、体温が下がりにくくなります。
総合すると、気温と湿度が高く、無風の場所がもっとも熱中症にかかりやすいです。
空調設備が無い工場や直射日光が当たる屋外、冷房を使用していない屋内などが、当てはまります。
熱中症予防のためには温度計がおすすめ

熱中症を予防するためには、温度と湿度を把握するために温度計を使うことがおすすめです。
温度計の中には「熱中症計」と呼ばれる、熱中症の危険度を指数で表示するものもあります。
その指数を確認して熱中症の危険度が上がったら、冷房を使用する・休憩をする、水分や塩分を摂取するなどの対策が可能です。
企業で熱中症の予防対策を策定するのであれば、誰でも理解できるように目安を作る必要があります。
そこで熱中症の危険度を目安にすれば、「〇℃に達したら15分休憩を取る」「水分補補給をする。」などの基準を決められます。
熱中症予防のための温度計の選び方

ここでは、熱中症予防に特化した温度計の選び方について解説します。
屋外で使用するなら黒球付きにする
熱中症予防の温度計には、黒球(こっきゅう)が付いているものがあります。

この黒球はいろいろなところから反射されてくる「輻射熱」を測定するためのものです。
例えば、屋外で運動をしていると直射日光だけでなく、地面やコンクリートからの照り返しも身体に影響します。
その照り返しの温度を測定するのが黒球温度です。
厚生労働省が定める熱中症の危険度「WBGT指数」を測定するには、黒球が必要とされています。
そのため、屋外で正確に熱中症の危険度を測定するには、黒球が必要です。
設置型か持ち運び型で選ぶ
熱中症予防の温度計の使い方は、自宅やオフィスなどに設置するタイプと作業現場に持ち運ぶタイプの2種類があります。
設置するタイプ

自宅などに設置するタイプは、基本的にスタンドかフックで取り付けをします。
屋内で使用することが多いため、黒球は付いていないものがほとんどです。屋内であれば、輻射熱の影響がほとんどないため黒球を付ける必要がありません。
持ち運ぶ必要が無い場合は、卓上に設置する温度計を選びましょう。
持ち運ぶタイプ

持ち運ぶタイプは、ベルトに取り付けたり、カラビナなどでバッグに取り付けたりします。
小型で温度表示は少し見にくいですが、軽量なので持ち運びしやすくなっています。
屋内でも使用可能ですが、液晶の表示部が小さいためあまり適していません。
機能で選ぶ
熱中症予防のための温度計には、多くの機能が付いています。
危険度をバーグラフで表示する

熱中症の危険度は数字を見ただけでは、判断しにくいものです。
そのため、危険度を5段階程度に分けて、バーグラフで表示する機能があります。
このバーグラフを見れば、どれくらい危険なのか一瞬で判断可能です。
アラーム機能
暑いからと言って常に温度計を監視することは、時間的に厳しい方がほとんどではないでしょうか。
その場合は、アラーム機能付きの温度計を選びましょう。
アラーム機能が付いていれば、事前に設定した温度に達したら音が鳴り知らせてくれます。
赤ちゃんの世話をしていたり、仕事中で温度計を見ている暇がないという方はアラーム付きを選びましょう。
熱中症予防の温度計を設置する際の注意点

温度計を設置する場所を間違えると、正確に測定できないことがあります。ここでは、熱中症予防の温度計を設置する際の注意点について説明します。
エアコンの風が当たらない場所に設置する

温度計にエアコンの風が当たると、数値が大きな影響を受けます。
エアコンの風は冷たく乾燥しているため、熱中症になる条件とは正反対です。
エアコンの風が当たっている場所は、その部屋の平均的な環境とは言えないため、なるべくエアコンの影響を受けない場所に設置しましょう。
直射日光が当たらない場所に設置する

温度計に直射日光が当たると、温度計に熱が溜まり高い温度を表示します。
屋内で測定するのであれば、直射日光が当たらない場所に設置しましょう。
屋外の場合は人が受ける直射日光の影響を加味する必要があるので、直射日光が当たっても問題ありません。
バッグの中に入れない

温度計をバッグの中に入れると、周囲からの輻射熱を測定できなくなります。
バッグに入れるのではなく、ストラップなどでバッグの外側に取り付けるようにしましょう。
熱中症予防のためのおすすめ温度計
最後に熱中症予防に最適な温度計を紹介します。
タニタ 黒球式熱中症指数計TT-562GD
メーカー | TANITA | 電池 | CR2032×1個 |
測定要素 |
WBGT・温度・湿度 |
重量 |
65g |
寸法 |
幅 58m×高さ108×奥行 36mm |
その他 | 取付方法が豊富 |
タニタ食堂で有名なTANITAの温度計です。
タニタはもともと体組成計など健康関連に強いため、熱中症対策の商品も販売しています。
この温度計は黒球付きの主に屋外で使用するタイプです。
吊り下げようのアタッチメントやカラビナなど、取り付けのための部品が多いことが特徴です。
ヘルメットにも付けられるので、屋外で作業している方におすすめです。
また、ベビーカーなどに取り付けて、赤ちゃんとのお出かけの際にも使用できます。

佐藤計量器製作所 デジタル温湿度計PC-7980GTI
メーカー | 佐藤計量器製作所 | 電池 | 単4乾電池×2本 |
測定要素 |
WBGT・温度・湿度・時計 |
重量 |
143g |
寸法 |
幅 58m×高さ108×奥行 36mm |
その他 | 取付方法が豊富 |
熱中症の危険度がバー表示されるので、一目で危険度が分かる温度計です。
また、アラーム機能が付いているので、事前に設定した危険度に達したら音で知らせてくれます。
冬には乾燥度合いからインフルエンザの危険度も分かるため、1年中役に立つ温度計です。
ドリテック O-311
メーカー |
ドリテック |
電池 | 不要 |
測定要素 |
温度・湿度 |
重量 |
100g |
寸法 |
幅 58m×高さ108×奥行 36mm |
その他 | インフルエンザ危険度 |
スタンドで卓上設置、もしくはフックで壁掛けができるアナログタイプの温度計です。
温度と湿度の針が交差するポイントで、熱中症・インフルエンザの危険度を判断できます。
目盛の丸枠が金属製で高級感があるので、オフィスに置いてもサマになる温度計です。
A&D みはりん坊AD-5688
メーカー |
A&D |
電池 | CR2032×1個 |
測定要素 |
WBGT・温度・湿度・時計 |
重量 |
40g |
寸法 |
47(W)×82(H)×12.5(D)mm |
その他 | タイマー機能付き |
ストラップ付なので首に掛けて、気軽に持ち出せる温度計です。
「おまかせモード」は、WBGR指数が28℃または31℃に達すると、自動でアラームが作動します。
どれくらいの数値に設定すればいいか分からない方でも、簡単にアラームの設定ができます。
また、作業時間や休憩時間を管理できる、タイマー機能も付いています。
デザインファクトリー 見守りっち
メーカー |
デザインファクトリー |
電池 | CR2032×1個 |
測定要素 |
温度・湿度 |
重量 |
72g |
寸法 |
12.5 x 8.6 x 2.8 cm |
その他 | 低価格 |
日本気象協会監修で、熱中症の危険度を5段階で知らせてくれるシンプルな温度計です。
価格が非常に安く1,000円台で購入可能。
熱中症の危険度は、「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」「ほぼ安全」の5段階。
「危険」と「厳重警戒」に達した場合は、アラームで知らせてくれます。
まとめ:熱中症対策におすすめの温度計
人の感覚で熱中症の危険度を測っていると、気が付いた時には既に熱中症になっている可能性があります。
正確に熱中症予防をするのであれば、WBGT指数を測定できる温度計が必須です。
熱中症対策の温度計は、屋外で使うのか、屋内で使うのかに分けて選びましょう。
購入後は正しい数値になるように、設置場所に気を付けて使ってください。