その測り方は間違ってる!?正しい中心温度計の使い方とは

中心温度計はセンサを刺すだけではないの?

何事にもそうですが、測定器には正しい測り方というものがあります。

例えば放射温度計の場合は下記の2つの記事で正しい測定の仕方を説明しています。

放射温度計を使う上で気をつけること①放射率

放射温度計を使う上で気をつけること②距離係数

これと同じように中心温度計にも測定をするうえで気をつけなくてはいけないことがあります。

放射温度計よりは簡単ですので、ぜひ覚えていってください。

中心温度計はセンサーを刺す長さに注意!

中心温度計はセンサーを刺す長さに注意しましょう。

センサーの感温部(食材に刺す部分)の内部はこのようになっています。

先端にセンサーの素子(温度を感知するところ)が入っており、そこから素線がつながって温度計本体へと電気信号を伝えます。

これを見るとセンサーの素子まで食材に刺さっていればいいんだなと思うかもしれませんがそれは間違いです。

上記の図のようにセンサー素子の部分だけを食材に指して測定をすると、刺さっていない部分の冷たい空気の温度がセンサー素子のあたりにまで影響を受けて、実際よりを少し低い温度を表示することになってしまいます。

それではどうしたらいいのでしょうか。

各メーカーの取扱説明書を見ると、センサーの太さの20倍を測定対象物に挿入してくださいと記載があります。この20倍と言うのはメーカー毎に少し違いますが、15倍もしくは20倍のところがほとんどです。

具体的にどういうことかというと、太さがφ2(直径2mmということです)の感温部のセンサーだとすると、φ2×20=40mmとなるので、感温部の先端から40mmは挿入しないと正しい温度は測定できないと言うことになります。

これは思っていたよりも深く刺さないと正しく測定できないですよね。

標準的な100mmの長さのセンサーだとすると半分近くまで食材に挿入しなくてはなりません。ちなみに2mmも標準的なセンサーの太さです。

そんな厚みが無い食材も多いけどどうすればいいの?

上記でお話した感温部の太さの20倍を挿入するというのは、あくまで原則の話です。いつもどうせ測定するなら正しく測定をしようといっている私でも、これはなかなか難しいのは分かっています。

いろいろな食品製造の現場へ行きましたが、実際にセンサーの太さの20倍を挿入できている現場はあまりありません。

お湯などの液体の温度を測定するならできるのでしょうが、例えばから揚げを測定しようとすると4cmも刺すと反対側の表面付近を測定してしまって中心温度ではなくなってしまいますよね。

また、ステーキの中心温度を測定しようとすると、4cm以上の厚みのあるステーキなんてなかなか食べられませんから、現実的ではないですよね。

それでは実際の現場ではどうなっているかというと、どこでも基本的にセンサーの先端が測定する食品の中心に来るようにして測っています。

もちろん、正確に測定をするにはセンサーの太さの20倍を挿入しなくてはならないのですが、実際はなかなか難しいことです。

中心温度を測定するときは大抵、鉄板やフライパンの上だったり、油の中だったりします。熱源が近くにあるので、周りの空気も熱くなっており中心温度と差が無いのが実態でしょう。

ですので、あまり深く挿入ができていなかったとしても、センサー部の挿入している部分と、挿入していない空気に触れている部分は温度差が少ないため、表示する温度にもほとんど誤差が出ません。

これが1cmに満たないような薄い食品を測定しようとするとセンサー素子がすべて食材に刺さらなくて上手くは測れませんが、センサーの先端から2cmほど挿入できていればそれほど気にする必要はないでしょう。

ではなぜこのような話をしたかというと、あまり気にする必要は無い知識だったとしても、正しい測定の方法をしっておいて頂きたかったからです。

正しい測定の方法を知らないと、かならずどこかで誤差が大きく出る測定をしてしまうことになります。基本を知っていれば応用ができますので、今回の正しい測定を覚えておいて頂ければ必ずどこかで役に立ちます。

オススメの中心温度計

測 定 精 度-9.9~99.9℃・・・±0.5℃±1digit
上記測定温度以外・・・±1.0℃±1digit
(周囲温度25℃において)
測 定 範 囲-40~260℃
応  答  性2秒(90%応答)
電     池交換不可
電 池 寿 命2500時間(25℃において)
防  水  性IP67
材    質SUS304(感温部)

こちらはCHINOのMF500です。

こちらの温度計のよいところはなんと言っても反応速度です。

わずか2秒で測定ができます。これは接地型のK熱電対をセンサーに使っているためです。

上のほうで出てきた図では丸いセンサー素子がかかれていますが、あれはサーミスタというセンサーを描いています。接地型の熱電対とは簡単に言うと、あの丸いセンサ素子の部分が先端の金属の部分にくっついています。

そのため温度の伝わりがとても早いので反応速度2秒という高スペックになっています。

何かと忙しい厨房ですので、反応速度が速いものを購入するのに越したことはありません。

測 定 精 度±0.5℃±1digit(周囲温度0~50℃において)
±1.5℃±1digit(周囲温度-10~0℃において)
測 定 範 囲-40~260℃
応  答  性2秒(90%応答)
電     池006P乾電池
電 池 寿 命500時間(25℃において)
防  水  性IP67
材    質SUS316(感温部)

こちらもCHINOの製品でMF1000です。

こちらは表示部とセンサーがコードでつながっている分離型です。

MF500と違い手元で温度を確認できるのでとても便利です。

また反応速度も2秒ととても早いです。

チノーの製品って食品現場ではあまり見かけないんですが、スペック的には全然問題ありません。むしろ他社よりいいくらいです。

ここまでの反応速度のものはあまり無いので、せっかちな私としてはぜひ使いたい製品です。

ただ、ひとつ難点を言うとすれば機能がシンプルすぎますね。

基本的には測定をするだけで、タイマー機能やレコード機能は付いていません。HACCPでは時間を計ることも記録をすることも大切なので、そこまでの機能を求めている方には向かないかもしれません。

とにかく早く正確に測定をしたい人にはとてもオススメできる製品です。