その測り方は間違ってる!?正しい中心温度計の使い方とは

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はじめに

中心温度計で食材の温度を測定しても、予想と違う温度になることがあります。

これは中心温度計が故障しているのではなくて、測定方法が間違っている場合もあります。

センサーの先端に温度を感知する部分があるので、そこが完全に食材に刺さるようにセンサーの太さの20倍を挿入しなくてはなりません。

文字だけですとわかりにくいので図解をしながら解説していきます。

 

管理人
この記事は、測定機業界で温度計の使い方を10年以上レクチャーしてきた管理人が執筆しました。

食材別の基本的な測り方

ここでは、食材ごとの基本的な測定方法を解説します。

揚げ物

① 油温が設定した温度以上になったことを確認する。

② 調理を開始した時間を記録する。

③ 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を校正された温度計で3
点以上測定し、全ての点において75℃以上に達していた場合には、それぞれの中
心温度を記録するとともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける(二枚貝等
ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85~90℃で90秒間以上)。

④ 最終的な加熱処理時間を記録する。

⑤ なお、複数回同一の作業を繰り返す場合には、油温が設定した温度以上であるこ
とを確認・記録し、①~④で設定した条件に基づき、加熱処理を行う。油温が設定
した温度以上に達していない場合には、油温を上昇させるため必要な措置を講ずる。

焼き物及び蒸し物

① 調理を開始した時間を記録する。

② 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を校正された温度計で3
点以上測定し、全ての点において75℃以上に達していた場合には、それぞれの中
心温度を記録するとともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける(二枚貝等
ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85~90℃で90秒間以上)。

③ 最終的な加熱処理時間を記録する。

④ なお、複数回同一の作業を繰り返す場合には、①~③で設定した条件に基づき、
加熱処理を行う。この場合、中心温度の測定は、最も熱が通りにくいと考えられる
場所の一点のみでもよい。

煮物及び炒め物

① 調理の途中で適当な時間を見はからって、最も熱が通りにくい具材を選び、食品
の中心温度を校正された温度計で3点以上(煮物の場合は1点以上)測定し、全て
の点において75℃以上に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録すると
ともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける(二枚貝等ノロウイルス汚染の
おそれのある食品の場合は85~90℃で90秒間以上)。
なお、中心温度を測定できるような具材がない場合には、調理釜の中心付近の温
度を3点以上(煮物の場合は1点以上)測定する。

② 複数回同一の作業を繰り返す場合にも、同様に点検・記録を行う。

出典:大量調理施設調理衛生管理マニュアルより

中心温度計はセンサを刺すだけではないの?

温度計に限らず測定器には正しい測り方というものがあります。

例えば放射温度計の場合は下記の2つの記事で正しい測定の仕方を説明しています。

放射温度計を使う上で気をつけること①放射率

放射温度計を使う上で気をつけること②距離係数

放射温度計と同じように、中心温度計にも測定をする際に注意するポイントがあります。

ここからは、大量調理施設衛生管理マニュアルでは分からない、実際の測定方法を解説します。

中心温度計はセンサーを刺す長さに注意!

中心温度計はセンサーを刺す長さに注意しましょう。

センサーの感温部(食材に刺す部分)の内部はこのようになっています。

先端にセンサーの素子(温度を感知するところ)が入っており、素子から素線(ケーブル)がつながって温度計本体へと電気信号を伝えます。

これを見るとセンサーの素子まで食材に刺さっていればいいんだな、と思うかもしれませんがそれは間違いです。

上記の図のようにセンサー素子の部分だけを食材に指して測定をすると、刺さっていない部分の冷たい空気の温度の影響を受けます。その結果、実際より少し低い温度を表示してしまいます。

正しい測定の仕方は、下記の通りです。

各メーカーの取扱説明書を見ると、センサーの太さの20倍を測定対象物に挿入してくださいと記載があります。この20倍というのはメーカー毎に少し違いますが、15倍もしくは20倍のところがほとんどです。

太さがφ2(直径2mmということです)の感温部のセンサーの場合、φ2×20=40mmとなるので、感温部の先端から最低40mmは挿入しないと正しい温度は測定できません。

思っていたよりも深く刺さないと、正しく測定できないですよね。

標準的なφ2×100mmの長さのセンサーだと、半分近くまで食材に挿入しなくてはなりません。

そんな厚みが無い食材も多いけどどうすればいいの?

上記でお話した感温部の太さの20倍を挿入するというのは、あくまで原則の話です。

実際の現場で、毎回20倍の長さを挿入するのは難しいですよね。

いろいろな食品製造の現場へ行きましたが、実際にセンサーの太さの20倍を挿入できている現場はほとんどありません。

お湯などの液体の温度を測定するなら可能ですが、例えばから揚げを測定する場合、4cmも刺すと反対側の表面付近を測定してしまって中心温度ではなくなります。

また、ステーキの中心温度を測定しようとすると、4cm以上の厚みのあるステーキでないと正しい温度が出ないということになります。

そのため実際の現場では、基本的にセンサーの先端が測定する食品の中心になるようにして測っています。

中心温度を測定するときは大抵、鉄板やフライパンの上だったり、油の中だったりします。

熱源が近くにあるので、周りの空気も熱くなっており中心温度と大きな差が無いのが実態です。

食材に挿入している部分と、挿入していない空気に触れている部分は温度差が少ないため、表示する温度にもほとんど誤差が出ません。

これが1cmに満たないような薄い食品を測定しようとするとセンサー素子がすべて食材に刺さらなくて上手くは測れませんが、センサーの先端から2cmほど挿入できていればそれほど気にする必要はないでしょう。

ただし、いま使っている中心温度計の感温部がとても太いものを使っていると、誤差が大きくなってしまう可能性があります。

感温部は2~3mmが標準の太さですのでそれよりも太いものを使っている場合は、買い替えも検討しましょう。

オススメの中心温度計

測 定 精 度-9.9~99.9℃・・・±0.5℃±1digit
上記測定温度以外・・・±1.0℃±1digit
(周囲温度25℃において)
測 定 範 囲-40~260℃
応  答  性2秒(90%応答)
電     池交換不可
電 池 寿 命2500時間(25℃において)
防  水  性IP67
材    質SUS304(感温部)

こちらはCHINOのMF500です。

こちらの温度計のよいところはなんと言っても反応速度です。

わずか2秒で測定ができます。これは接地型のK熱電対をセンサーに使っているためです。

上のほうで出てきた図では丸いセンサー素子がかかれていますが、あれはサーミスタというセンサーを描いています。接地型の熱電対とは簡単に言うと、あの丸いセンサ素子の部分が先端の金属の部分にくっついています。

そのため温度の伝わりがとても早いので反応速度2秒という高スペックになっています。

何かと忙しい厨房ですので、反応速度が速いものを購入するのに越したことはありません。

測 定 精 度±0.5℃±1digit(周囲温度0~50℃において)
±1.5℃±1digit(周囲温度-10~0℃において)
測 定 範 囲-40~260℃
応  答  性2秒(90%応答)
電     池006P乾電池
電 池 寿 命500時間(25℃において)
防  水  性IP67
材    質SUS316(感温部)

こちらもCHINOの製品でMF1000です。

こちらは表示部とセンサーがコードでつながっている分離型です。

MF500と違い手元で温度を確認できるのでとても便利です。

また反応速度も2秒ととても早いです。

チノーの製品って食品現場ではあまり見かけないんですが、スペック的には全然問題ありません。むしろ他社よりいいくらいです。

機能はシンプルで、測定をするだけです。

タイマー機能やレコード機能は付いていません。

HACCPでは時間を計ることも記録をすることも大切なので、そこまでの機能を求めていない方向けです。

とにかく早く正確に測定をしたい人にはとてもオススメできる製品です。

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