HACCPと密接に関係する一般衛生管理って何?

HACCPと一般衛生管理の関係とは

HACCPという新しい概念は知らなくても、食品業界の方であれば一般衛生管理を聞いたことが無い方はいないと思います。

HACCPは食品の工程ごと(製品ごとに)に食品の安全を確保するシステムです。これに対し一般衛生管理は厨房全体・工場全体における食品の安全を確保するためのシステムです。

つまり、HACCPだけであっても一般衛生管理だけであっても、食品の安全は確保されません。

例えば、食品の食中毒を防ぐために温度計を使って加熱をするというのはHACCPで定めますが、作業員がノロウイルスにかかっていれば作業にあたることはできないと定めるのは一般衛生管理で決めることです。

これまで一般衛生管理に力を入れてきていなかった場合は、HACCP導入を機に一般衛生管理にも力を入れていきましょう。

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一般衛生管理の7Sとは

一般衛生管理は7Sを導入することから始まります。
 

7Sとは整理・整頓・清掃・戦場・殺菌・躾・清潔です。

これらを行うことにより厨房・工場内が清潔になり食品の安全が保たれて売上増に貢献するという考え方です。

まず、整理ですがこれは必要なものと不要なものに分けて、不要なものを捨てる作業です。時間が無かったり日々の忙しさに追われ不要なものでも、ついつい作業場の片隅に置いて捨てるのは後回しにしてしまいます。

こうすると片づけをする場所が増えたり、ねずみなどの害虫が住み着く原因になります。

整頓とは必要なものをすぐに取り出せるようにしておくことです。これには保管しておく場所を事前に決めておくことが有効です。

包丁はここ、まな板はここなど必ず決められた場所に保管します。そして入れ替わりの多いパートさんのためにもシールや看板などでどこに何があるのか分かり安ようにしておくといいでしょう。

次に清掃と洗浄ですが、清掃はホコリが付かないようにきれいに掃除をすることです。洗浄は洗剤を用いて汚れを落とす掃除です。洗浄は微生物レベルでの清潔さを求めるのでとても重要な作業です。

洗剤には酸性洗剤、中性洗剤、塩基性洗剤など種類がありますので、汚れに合った洗剤を選ぶようにしましょう。

殺菌とはその文字の通り菌を殺す事です。滅菌は菌を全滅させることですが、滅菌の場合は全滅させると言うことではなく、危害が出ない範囲まで菌を殺すという意味です。

滅菌をするにはかなりの高温まで加熱しなくてはならないため、食品自体が焦げて食べられなくなってしまいます。

そのため、食品を滅菌することはできないので殺菌という言葉が使われています。

殺菌にはどこでどのような微生物が発生するかを確認・検討をします。そしてそれらをどのように対策するかを設定することが必要です。

次に躾ですが、上記の整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌で作成したルールをパートさんなどの作業員の方に守らせるように教育することです。

みなさんも苦労していると思いますが、人に教育するということはとても難しいです。しっかり伝わってなかったり、話を良く聞いていなかったりして、こちらが意図していることとは全然違うことを行ってしまう作業員もいます。

また、新しい方が入社されたら一から教えなおさなくてはなりません。

躾の成功が7Sを成功させる鍵といっても過言ではないでしょう。

これには社長や工場長などトップのリーダーシップが重要となります。躾と言うと上から目線のように感じますが、一緒に衛生管理体制を作っていくと言う気持ちで根気強く教育をしていきましょう。

最後に清潔とはこれまでに行ってきた6Sが計画的に実行されている状態です。整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌が正しく行われていれば微生物レベルで清潔が保たれます。

さいごに

衛生管理は一朝一夕で会社に根付くものではありません。

まずはできることから少しずつはじめていきましょう。

7Sを導入するのは手間がかかることですが、食品の安全が確保されれば間違いなく売上増が見込めます。

衛生管理は時代の流れだからという気持ちで行うのではなく、安全な食品をお客様に提供して社会に利益をもたらすという考えで行っていけば、必ず自社も発展していきます。

衛生管理を活用してあなたの組織をさらに多くしていきましょう。

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