ウイルス感染と湿度には関係性がある?
毎日、感染者が増え続けるコロナウイルス。
昨日は緊急事態宣言がされて私たちの生活は今後どうなっていくのか先が見えません。
経済活動も低下しており、特に飲食店は大打撃を受けています。
早く収束することを願うばかりですが、すぐに状況は変わりそうにないので温湿度を扱う私が出来ることは、なるべくコロナウイルスに感染しにくい環境の情報を提供することだけです。
さて、日本では毎年冬になるとインフルエンザが流行します。
冬場はもともと湿度が低いうえに、暖房によってより室内の空気が乾燥してしまいます。
空気が乾燥するとインフルエンザウイルスに感染しやすくなるということはご存じの方も多いのではないでしょうか。
その原因として、湿度が高い環境(50~60%)ではインフルエンザウイルスが空気中に長く生存できないことが分かっています。
また、くしゃみをした時などに空気中の水分が多いと、飛沫が遠くまで飛びません。歩いた時にもホコリが空気中に舞いにくくなり、ホコリに乗って浮遊するインフルエンザウイルスも舞いにくくなります。
このような理由から湿度を高くすると、インフルエンザ予防になると言われています。
コロナウイルスも湿度に弱い?
それではコロナウイルスの場合も同様に湿度を高く保てば感染予防ができるのでしょうか?
色々とネット上の記事を探しましたが、コロナウイルスが湿度に弱いという確実な情報は見つけられませんでした。
ただ、MIT Technorogy Reviewというサイトで下記のような内容を見つけました。
① アウトブレイク時に気温が摂氏3~13度だった地域で、最大数の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生している
② 平均温度が摂氏18度を上回る国では全体の5%未満しか症例が発生していない
③ これまでの世界の陽性症例の95%が、摂氏-2度から10度の気温、および乾燥した環境で起こっている
④ 気温や湿度の高い気候において、新型コロナウイルスの感染力が穏やかに下がっていくことは期待できるかもしれないが、それらの漸減だけで、感染数を大きく減らすのに十分なほど感染速度が遅くなるのを期待すべきではない
この内容から、温湿度とコロナウイルスの関係は明確ではないが、温湿度が高い地域ではコロナウイルスへの感染が低い傾向があるということがわかります。
単純に考えれば当たり前の事ですよね。
温湿度が高い環境でもコロナウイルスの死滅するスピードは変わらないにしても、空気中に水分が多いことで飛沫を抑えたり、ホコリが舞い上がりにくくなります。
そうすれば物理的にコロナウイルスへの感染リスクは多少なりとも減るでしょう。
家庭での温湿度管理に最適な製品は?
こちらはタニタのTT-580です。
温湿度計の設置方法を間違えると全然違う数値に!?正しい設置方法を知ろう。でもご紹介しています。
タニタはタニタ食堂で有名になりましたが、もともとはこういった測定器のメーカーです。
この製品は時間ごとの温湿度の変化がグラフで分かるようになっています。
そのため、あとから湿度が低くなっている時間を確認してその原因を探ることができます。
例えば、ドアが開いていて乾燥した空気が入ってきていたとか、暖房を強くかけすぎたとか原因がわかりますので、温湿度管理を改善していくことができます。
また、時計機能も付いているので家庭に設置するにはとても便利な製品です。
こちらは佐藤計量器製作所のPC-5400TRHです。
この製品の特長は液晶の表示が大きいことです。
そのため、少し離れたところからでも温湿度の確認がしやすくなっています。また、アラーム機能がありますので、設定した湿度よりも低くなったらアラームを鳴らすことができます。
アラームが鳴ったら加湿器を強くするなど湿度を一定に保つ対策をすることができます。
また、佐藤計量器製作所は温湿度計の専門メーカーのため、数値の信頼性には定評があります。
ホームセンターなどでは何のメーカーかもわからないような温湿度計が安価で売っていますが、はっきり言って数値に信頼性はないと思っています。
大抵が海外から購入してきて、国内で検査もせずにそのまま販売するところが多いです。
せっかく温湿度計を購入するのならば、できるだけ正確に測定できるような製品を使いましょう。
まとめ
コロナウイルスと湿度の関係ははっきりとわかっていないのが現状です。
しかし、湿度を高く保てば多少なりとも感染予防の効果を期待できます。
今は藁にも縋る思いで何か対策をされたい方が多いと思います。
全く根拠のない対策やデマも溢れていますので、情報の真偽を自分で判断していかなくてはなりません。
温湿度対策によるウイルスへの効果は、インフルエンザで立証されていますので、何か対策をするのであれば温湿度計の設置は間違っていないと思われます。
完全に立証されていない情報ですので記事にするのを少しためらいましたが、コロナウイルスは初めてのことなのでエビデンスなどどこにもありません。
エビデンスを待っていると感染が進んでしまうので、温湿度対策は少しでも効果があると判断して記事にさせていただきました。
早くコロナウイルスの感染が収束して、日常の生活が戻ってくることに少しでも助けになれば幸いです。