冷蔵庫の温度管理では異常な温度をすぐに察知する事が大切
HACCPでは食材を受け入れた後の保管の時の温度管理も重要です。
食中毒菌は5℃以下になると繁殖が緩やかになり、-15℃以下では繁殖がとまると言われています。
そのため、食材を受け入れた後に冷却保存をするための冷蔵庫・冷凍庫がしっかり冷やされているか確認することがとても大事になってきます。
冷蔵庫用温度計ってなに?で下記の温度計をご紹介しました。
こちらは佐藤計量器製作所のPC-3300です。
液晶画面に現在の温度と、前回リセットを押したときから今までの一番高かった温度・低かった温度を表示します。
そのため、異常な温度になっていたらあとから分かるようになっているのですが、リアルタイムで把握することは出来ません。
小規模事業者の方は朝一や夕方の業務終了後に温度を記録することが多いのではないでしょうか。
そうすると、忙しい時間帯のお昼に冷蔵庫が異常な温度になっていても気が付くことが出来ません。
PC-3300はとても良い製品で冷蔵庫用温度計としてよく使われている製品なのですが、温度異常をリアルタイムで知りたいと言う人には向きません。
温度の異常をリアルタイムで知るにはどうしたらいいの?
温度の異常をリアルタイムで知るにはアラームつきの温度計にする必要があります。
こちらはエムケーサイエンティフィックのRT-804です。
正直、この会社のことは知らなかったのですが、おそらく海外から測定器を買ってきて自社ブランドで販売するのがメインの会社じゃないかと思います。
海外製だと心配と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この価格帯の温度計はどこのメーカーでもほぼすべてが海外製造です。そのため、品質的には温度計専門メーカーのものと大きく差は出ないでしょう。
このRT-804ですが機能的にはなかなかのものです。
最高最低温度の表示があるのはもちろんのこと、本体の裏側に強力なマグネットが付いているので冷蔵庫の側面にそのまま貼り付けることが出来ます。
アラーム機能も付いており、事前に上限温度と下限温度を設定しておきその値を超えるとアラームが鳴ります。
例えば冷蔵庫内の温度が10℃を超えたらアラームが鳴るように設定することが出来ます。
その設定値を超えるとピーピーピーと電子音が鳴ります。
それほど大きな音ではないので、他の音でうるさい厨房ですと聞こえにくいこともありますのでご注意ください。
RT-804は安価で必要十分な機能を備えているのでオススメな製品です。欲を言えばもう少し液晶が大きいと良かったかなと思います。
ただ、このような海外製品はケースを作る金型などの関係で、メーカー側が自由に設計を出来ないことも多いので仕方が無いところでしょう。
どうして冷蔵庫は温度があがってしまうの?
冷蔵庫は常に冷やしているはずなのにどうして温度が上昇してしまうことがあるのでしょうか?
冷蔵庫自体が故障して冷却機能が働いていないということも考えられますが、それ以外の理由を考えていきたいと思います。
①冷蔵庫の蓋が閉まっていなかった
これは家庭でもよくあることだと思いますが、忙しい時間帯だとどうしても急いでしまい冷蔵庫の開け閉めも雑になってしまいます。
新型の冷蔵庫でしたらアラームで教えてくれる昨日もありますが、昔から使っている冷蔵庫ではアラームが無いことも多いですよね。
②食材をたくさん入れすぎている
冷蔵庫内は冷気が循環することで内部が冷やされていきます。食材をたくさん詰めすぎてしまうと空気がうまく循環せずに冷却が出来ないことがあります。
冷蔵庫内は常に70%ほどにして空間に余裕を持たせましょう。
③放熱が出来ていない
冷蔵庫はコンデンサーによって外部に熱を放出しています。
冷蔵庫の放熱部の周りに法寝てうを妨げるものを置いていると、うまく熱を排出できずに熱がこもってしまいます。
冷蔵庫の放熱部分がどこかを把握して、近くにものを置かないようにしましょう。
まとめ
冷蔵庫の温度異常はリアルタイムで知ることが大事です。
もちろんデータを記録するということも大事なのですが、温度管理をする事が目的ではなく、温度管理をして衛生状態を改善すると言うことが目的です。
温度の記録を取ることだけに意識をとられないで、記録をとって上でどのように衛生管理に役立てていくかを考えて行きましょう。
冷蔵庫の温度管理は比較的安価に簡単に出来ますので、温度管理の第一歩としてまずは始めてみるのはいかがでしょうか。