食品のグループ分けとは
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書の中には食品のグループ分けというものが出てきます。
第一グループから第三グループまであるのですが、第一グループは加熱しない料理、第二グループは加熱して提供する料理、第三グループは 加熱調理後冷却し再加熱、または、 加熱後冷却する料理 と決められています。
このグループ分けを提供する料理すべてに対して行うのですが、どうしてこのようなグループ分けが必要かというと、食品にとって危険な温度帯があるからです。
10~60℃は微生物が繁殖しやすい温度帯です。そのため、食品が長くこの温度帯となっていることは出来るだけ避けなくてはなりません。
グループ分けをすることで、それぞれの料理がどのような温度変化をするかが変わかるので、グループ毎に加熱方法・冷却方法を定めることで危険度が低くなります。
第一グループ加熱しない料理の注意点
第一グループの加熱しない料理は例えばサラダや刺身などがあります。
第一グループの特徴は加熱調理工程が無いため、加熱して微生物を殺菌することができません。
そのため、微生物を付着させないことはもちろんですが、微生物を増やさないことが重要となってくるのでしっかりと冷蔵庫で保管することが大事です。
また、冷蔵庫用温度計を取り付けることで、一番高かった時の温度と低かった時の温度を確認することができます。
そのため、異常な温度になっていなかがは把握できるようになるので取り付けを検討するのがいいでしょう。
冷蔵庫用温度計についてはこちら:冷蔵庫用温度計って何?
また、冷蔵庫で保管する以外にも、普段利用する調理器具の殺菌、手洗いの徹底なども対策となります。
手洗いについてはこちら:手洗いは衛生管理の基本!正しい手洗いの仕方とは
第二グループ 加熱して提供する料理の注意点
第二グループの加熱して提供する料理には揚げ物やステーキ、焼き魚などがあります。
加熱する前の肉や魚には有害な微生物が多く存在しています。そのために、しっかりと加熱して微生物を殺すことが重要です。
有害な微生物は75℃以上1分で加熱すると死滅します。そのため、中心まで加熱できているか確認をするために中心温度計を使って温度確認をします。中心温度の管理は大量調理施設マニュアルにも記載されており、HACCPの基本でもあります。
中心温度計は簡易的な一体型と、センサーと本体がコードでつながっている分離型があります。
どちらにも良いところ悪いところがあるので下記のリンクから、何が自分にあった中心温度計なのか考えてください。
反応速度や精度、防水性能についても検討する費用があります。
中心温度計についてはこちら:中心温度計のはなし
加熱をして有害な微生物が死滅した後は、交差汚染に気を付けなくてはなりません。そのために、手洗いの徹底、調理器具や食器類の殺菌に気を付けましょう。
第三グループ 加熱調理後冷却し再加熱、または、
加熱後冷却する料理の注意点
第三グループの加熱調理後冷却し再加熱、または、加熱調理後冷却する料理には味噌汁やスープ、カレーなどがあります。
このグループの料理は、完成した後にすぐに提供されないでしばらく保管する料理であることが特徴です。
有害な微生物が料理に残っていたり、調理後に付着してしまうと、保管をしている間に微生物が繁殖してしまいます。
そのため、保管をする場合は微生物が繁殖しやすい10℃から60℃を避けて保管しなくてはなりません。
調理後は60℃以上で加熱したまま保管をするか、すぐに冷蔵庫に入れて冷やす必要があります。常温で保管をしておくのは危険なので絶対にやめましょう。
また、このグループでも交差汚染の防止が重要となります。
手洗いの徹底、使用する調理器具の殺菌を行い調理後の料理に微生物が付着しないように気を付けましょう。
まとめ
料理を加熱の違いにより3つのグループに分けることで微生物の対策を行うことができます。
交差汚染により微生物を付着させない、加熱をする料理は加熱時に微生物をすべて死滅させてしまうことが大事です。
また、微生物が繁殖しやすい温度帯10~60℃に料理を長く保管をしないようにしましょう。
危険温度帯を避けるには冷蔵庫用温度計と中心温度計が役に立ちます。
冷蔵庫用温度計にも中心温度計にもたくさん種類がありますが、この記事のリンクをたどればきっとあなたに適した温度計を選ぶことができるでしょう。
温度計を利用することでグループ分けをした料理の衛生管理が見えるかできて、より確実に管理をすることができるようになります。