工業用の非接触温度計のおすすめ5選!精度やレーザーについても解説

物体に触れないで温度を測定できる便利な「非接触温度計」

さまざまな種類の商品が販売されていますが、業務用として使用できるものもあります。

業務用と家庭用の違いが分からず、悩んでいる人も多いです。

この記事では、業務用非接触温度計の特徴や、精度・レーザーなどについて解説します。

管理人
この記事は、測定機業界で10年以上、温度計を提案してきた管理人が執筆しています。

 

非接触温度計とは

非接触温度計とは、測定をしたい物体に触れずに温度を測定できる温度計です。

触れないので衛生的だったり、危険な場所でも近づかずに測定できたりする点が人気です。

非接触温度計が対象に触れないで温度を測定できるのは、対象が放つ赤外線を検知しているためです。

物体は温度が高くなるにつれて、赤外線の放射も強くなります。非接触温度計は、物体が発する赤外線を集光してセンサーを暖めて、センサーの温度変化を物体の温度に変換します。

非接触温度計は、電気盤や空調機・電子部品・タイヤの耐久試験・食材の受入検査など、幅広い用途で使われています。

工業用の非接触温度計の特徴

プロの現場で使用される工業用の非接触温度計は、温度範囲が広く、測定値を記録できる機能などが備わっています。

ここでは、工業用の非接触温度計の特徴を解説します。

測定範囲が広い

工業用の非接触温度計は、食品や機械など幅広いものの温度を測定します。

そのため、測定範囲が広く設定されています。

家庭用の非接触温度計は、体温や料理など、使用する温度範囲が比較的狭いです。そのため、測定範囲も狭く設定されています。

工業用と家庭用の非接触温度計の測定範囲は、おおまかに以下の通りです。

  • 家庭用:0~150℃
  • 工業用:-30~1500℃

工業用の非接触温度計であれば、冷凍庫の低温から、溶鉱炉の高温まで測定可能です。

ただし、基本的には測定範囲が広くなれば、精度は悪くなります。

購入前に精度を確認して、社内の基準に当てはまっているか調べてください。

測定値を記録できる

多くの工業用非接触温度計には、測定したデータを保存できる「データロガー」機能が付いています。

定期的に記録を残すことで、異常が発生した場合に、すぐに異常を発見可能です。

また、製造工程の温度を記録しておけば、製品が正しく製造された証拠となります。

記録したデータをパソコンに転送して、グラフ化できる非接触温度計もあります。

遠距離からでも測定できる

工業用の非接触温度計は、離れた場所からでもピンポイントで温度を測定できるように設計されています。

距離と測定ポイントは、「距離係数」で確認できます。

例えば、距離係数が50:1となっていれば、50cm離れた場所から1cmの円の中の温度を測定できます。測定する温度は、1cmの円の中の平均温度です。

熱で近づけない場所や、細かくて温度計を差し入れられない場所の測定でも、距離係数が優れていれば簡単に測定できるでしょう。

工業用の非接触温度計を使用する際の注意点

放射温度計を使用する際は、放射率の設定と、距離係数の確認に注意してください。

ここでは、工業用の非接触温度計を使用する際の注意点を解説します。

放射率を設定する

放射温度計の設定で最も重要なのが「放射率」です。

放射率とは、「物体がどれくらい効率よく赤外線を出しているか」の数値です。

非接触温度計は、物体が発する赤外線を温度に変換しています。物体により赤外線を放射する割合が異なるため、物体ごとの設定が必要です。

放射率は0~1で表記されます。放射率が0.95の物体を測定する際は、非接触温度計の放射率も0.95に設定します。

放射率がズレたまま測定をすると、温度もズレるので注意が必要です。

距離係数を確認する

工業用の非接触温度計は、遠くから測定できるものが多いですが、離れすぎには注意が必要です。

非接触温度計の測定範囲は、距離が離れるほど広がるためです。

測定したい対象よりも測定範囲が広がってしまうと、後ろの壁や床などの温度も測ってしまい、正しい温度を表示しなくなります。

測定したい対象よりも、非接触温度計の測定スポットが一回り小さくなるように計算して測定しましょう。

どこを測定しているかは、放射温度計から出るレーザーが基準となります。

ただし、測定しているスポットをサークル(円)で示すものと、ポイント(点)で示すものがあります。

ポイントで示す非接触温度計は、測定している円の中心をポイントで表しているため、実際はもっと広い範囲を測定しているので注意が必要です。

距離係数からどれくらいの範囲を測定しているのか想像しながら測定してください。

本体と周囲の温度を同じにする

意外と見落としがちなのが、非接触温度計の本体温度と、周囲の気温との差です。

非接触温度計が周囲の気温と同じ温度になっていないと、センサーが上手く働かず誤差の要因となってしまいます。

例えば、事務所に置いてあった非接触温度計を、荷受けのために冬の屋外に持ち出すと温度が異なり誤差が発生します。

温度を測定したい現場で保管するか、持ち出してから30分は環境に馴染ませてから使用するといいでしょう。

おすすめの工業用の非接触温度計

A&D AD-5634

メーカーA&D電池単3乾電池×2本
測定精度-35.0 ~ +1500 ℃距離係数60:1
重量426gその他データロガー機能付き

AD-5634は、最高1500℃までの測定ができる、汎用性の高い非接触温度計です。

また、距離係数は60:1なので、離れた距離からでも狭い範囲の測定が可能。

SDカードに測定値を記録して、CSVデータでPCに保存もできます。

業務用の非接触温度計に必要な機能が、すべて搭載された機種といえるでしょう。

ただし、高温まで測れますが、本体の重量が426gと少し重めです。

測定対象が決まっておらず、低温から高温までさまざまな物体を測定する人におすすめです。

シンワ測定 73014

メーカーシンワ測定電池単4アルカリ乾電池×2本
測定精度-60.0 ~ +625 ℃距離係数16:1
重量245gその他データロガー機能付き

シンワ測定の73014は、測定範囲が-60~+625℃なので、多くの業務で使用できる非接触温度計です。

重量は245gで女性でも持ちやすい設計となっています。

距離係数は16:1と広い方ではありません。測定対象が小さい場合は、近づいて測定することを意識しましょう。

放射率は0.1~1まで調整可能なので、放射率で困ることはありません。

価格は1万円前後で購入できるため、非接触温度計の最初の1台としてもおすすめです。

CHINO 防水型ハンディ放射温度計IR-TE2

メーカーCHINO電池単4アルカリ乾電池×2本
測定精度-40.0 ~ +300 ℃距離係数φ45(測定距離500mmの場合)
重量123gその他データロガー機能付き

CHINOのIR-TE2は、防水機能が付いた非接触温度計です。

非接触温度計で防水機能が付いている機種は珍しいので、食品工場や河川・湖・雨の中での使用などで重宝されます。

防水等級は、IP67なので、水圧にもよりますが、水に浸けても問題ありません。

丸洗いできるので、衛生的に使いたい現場にも向いています。

佐藤計量器製作所 サークルサーモSK-8950

メーカー佐藤計量器製作所電池単4アルカリ乾電池×2本
測定精度-60.0 ~ +550 ℃距離係数約12:1
重量196gその他サークル表示

SK-8950は、測定範囲をサークルで表示する非接触温度計です。

他の非接触温度計は、測定場所を点で表示するため、実際に測定している範囲を計算する必要があります。

しかし、SK8950はレーザーのサークルが測定範囲を示してくれるので、一目で測定場所がわかります。

出典:佐藤計量器製作所 公式サイト

防水等級はIP54なので、濡れた手でも操作可能。

測定箇所が誰でも一目でわかるので、責任者だけでなくアルバイトやパートなど、多くの人が使用する現場におすすめです。

シンワ測定 スリムクリップF-2

メーカーシンワ測定電池ボタン電池LR24×2個
測定精度-30 ~ +180 ℃距離係数1:1
重量25gその他オートパワーオフ

シンワ測定のF-2は、コンパクトで軽量な非接触温度計です。

屋外の現場に持ち出して測定をすることが多い人におすすめです。

オートパワーオフ機能が付いているので、ポケットの中で電源がオンになっても自動で消えるので安心。

防水等級はIP67と高いので、雨の中で使用しても問題ありません。

ただし、レンズが濡れると雨の温度を測定してしまい、正確ではなくなるので注意しましょう。