検証方法の設定とは

前回はCL(管理基準)から外れてしまった場合の改善措置を決定しました。
CLから外れるなどの問題が発生したときに下記の事を決めておく必要があると学びましたね。
①工程をもとの状態に戻すこと
②CLから外れた製品を排除すること
次はこれまで作ってきたHACCPの流れに問題が無いかを検証する方法を設定しなくてはなりません。
HACCPは一度作ってしまえば終わりという訳ではありません。
PDCAサイクルの様に常に改善を行っていかなくてはなりません。
検証を行う事によって、
■HACCPプランが機能しているか
■より優れたHACCPプランへの改善
を行う事が出来ます。

2種類の検証方法
検証方法には大きく分けて2種類あります。
一つ目はCCPプランごとに検証していきます。
具体的には、
①モニタリングで使用している測定器の校正
②モニタリングした記録の見直し
等を行います。
測定器の校正ですが、例えば温度計を使用している場合、長い間校正をしないでいると、経年変化により温度がずれている可能性があります。
そのような温度計で測定しても意味がありませんので、必ず定期的に校正をするようにしましょう。
また、モニタリングした記録は普段から確認する必要がありますが、検証の際に改めて測定値などを見直すことで新たな発見があるかもしれません。
HACCPプランの改善のためにしっかりと検証していきましょう。
2つ目はHACCP全体の検証を行います。
具体的には、
①モニタリングの実施状況の確認
②記録の付け方・保管状況の確認
③最終製品の試験検査
などです。
食品の製造方法や食材、使用する装置などが変わった場合も、これまでのHACCPシステムで問題がないかの検証を行います。
検証方法の設定の際の注意点
検証方法を設定する際には、これまでと同じように
①担当者
②実施頻度
③検証方法
を決めておきましょう。
また、検証の担当者はモニタリング及び改善措置を実施する担当者とは別の担当者を設置しましょう。
自分で記録したものを自分で検証しても、検証の効果が半減してしまいます。
第三者の目で見るからこそ分かる事もあるので、別の担当者を設置するのは大事です。
社内で別の担当者を設置できない場合は、外部の専門家に依頼するのも良いでしょう。
さいごに
今回は、これまでに作成してきたHACCPの検証方法の設定について解説をしました。
最初に作ったHACCPは、管理基準があいまいだったり、現場の実態と合わないなど問題が出てくるものです。
最初から完璧なHACCPは作り上げられませんので、定期的に検証を行う事により、HACCPは自社に合ったものに成長していきます。
どんな仕事でもPDCAサイクルを続けていくのは大切な事ですが、HACCPでも必ずPDCAサイクルを行っていきましょう。