【初心者向け】いろいろな食品用温度計

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食品業界で使われる温度計

HACCPの義務化に向けて温度計を導入しようと考えている人が多いと思います。

今まで温度計を使ったことがない人は、どんな温度計を使えばいいのか分からないですよね。

私もこの業界に入るまでは温度計と聞いて思い浮かべるのは、小学校の理科の実験で使ったガラスの棒状温度計くらいのものでした。

本日は、HACCP導入に向けて温度計を検討しているけど、どれを選べばいいのか全然わからないという方向けに、商品業界で使われる温度計について解説をしたいと思います。

中心温度計

食品業界向けの温度計と言えばこれですよね。

ハンバーグや揚げ物など、加熱食材が中心まで火が通っているか確認するための中心温度計です。

学校給食でO-157が流行った時に、中心温度計を使ってO-157を防ぎました。その時に中心温度計は食品業界に爆発的に広がり現在でもつかわれ続けています。

中心温度計は中心温度だけではなくて、液体の温度測定にも使うことができます。

例えば、煮物の煮汁の温度管理だったり、提供するスープの温度管理だったりいろいろな温度測定ができます。

ただし、フライパンの表面など、表面の温度測定は出来ませんのでご注意ください。

おすすめの中心温度計

こちらはCHINOのMF1000です。

この製品は食品現場で使用する温度計に必要な、防水性能と反応速度が整っています。

こちらはK熱電対センサーを使用しており、測定精度はなんと±0.5℃。反応速度は脅威の2秒です。これは感温部の先端がφ1.6と細いのが反応速度を早くできた要因でしょう。根元はφ3.2のため耐久性も考えられています。

IP67ですので水に浸けての丸洗いも可能です。

防水性能についてはこちら:中心温度計の選び方④防水性能

食品現場では常に水を使っているため、温度計に水が当たってしまうことがあります。また、手を洗った後の濡れた手で使用することもあるでしょう。

この時に防水性能がない温度計ですとすぐに壊れてしまいます。

温度計は精密機器なので用途に合わない使い方をすると、測定値がずれたり不具合を起こして電源が入らなくなってしまいます。くれぐれも大事に扱うようにしましょう。

また、厨房の中は常に大忙しです。

測定するのに1~2分かかる温度計もあります。むしろ以前はこれくらいが普通でした。

最近は測定時間が5秒というものも出てきていますので、時間をかけられないという方は測定時間(反応速度ともいう)も気にして選定してください。

放射温度計

放射温度計は測定対象に触れないで表面温度を測定できます。

表面温度の測定なので中心温度は測れません。

測定時間は1秒以内でとても素早いので、ラインを流れる食品の温度点検や食材の受け入れ時の温度確認に使われます。

ラインを流れている食品の温度点検をしようとする場合、動いている食品に対して、センサーを押し当てて測定するのは少し難しいです。そんな時に放射温度計を使用すれば触らないですぐに測定することが出来ます。

また、食材の受け入れ時にはしっかりと冷やされてきたか冷凍されているかの確認をすることが大事です。

そんな時に接触式の温度計を使用していると測定に時間がかかってしまいますので、放射温度計を使用してピッと一瞬でチェックします。

学校給食では多くのところで放射温度計を使用して受入食材の温度管理をしています。

おすすめの放射温度計

こちらはCHINOのIR-TE2です。

放射温度計には珍しく防水性能が付いています。

ただ、防水性能があるからと言ってもレンズに水が付いていると正確に測定することが出来ません。

ちなみに、測定対象が湯気を大量に出している場合は湯気の温度も測定してしまって正確には測定できませんので注意しましょう。

測定範囲は-40℃~300℃ですので、食品の測定で使用するのであれば十分です。

手軽に素早く表面温度測定ができますが、測定にはいろいろと注意点がありますので購入後は下記の記事を参考にしてみてください。

放射温度計のはなし

冷蔵庫用温度計

冷蔵庫の温度は管理しているでしょうか?

食材を保管する冷蔵庫が異常な温度になっていたら、食材がいつの間にか使い物にならなくなってしまっています。

また、冷蔵庫が故障をしていなくても、ドアの開け閉めが多かったり、不注意で開けっ放しになっている場合も温度が上がってしまうことがあります。

そんなときに必要になってくるのが冷蔵庫用の温度計です。

冷蔵庫にもともと温度計が付いていないようでしたら、必ず後から設置していただきたいです。

また、温度計が付いている冷蔵庫だったとしても、中堅以上の食品メーカーでしたら必ず確認用に別途冷蔵庫温度計を購入して備え付けています。

おすすめの冷蔵庫用温度計

こちらは佐藤計量器製作所のPC-3300です。

コードの先についたセンサーをドアのパッキンの部分から冷蔵庫の中に差し入れます。

温度を表示する部分は冷蔵庫の外側に取り付けるため、冷蔵庫を開け閉めしなくても内部の温度を確認することが出来ます。

また、前回リセットボタンを押したときから現在までの一番高かった温度と低かった温度を確認することが出来ます。

最高最低温度というのですが、これを確認すれば異常な温度になっていたかどうかが一目で分かります。

シンプルな温度計ですが、とても機能的で金額も高くないので冷蔵庫の温度管理をしていないという人は導入されてはいかがでしょうか。

さいごに

食品の現場で使用する温度計は主に、中心温度計・放射温度計・冷蔵庫用温度計の3種類です。

HACCP導入に際して必ず温度計を購入する必要があるわけではありません。

ただ、温度計を導入すれば間違いなく、衛生管理に役立ちます。

義務化になるから仕方なくHACCPを導入するのではなく、衛生管理を確実に行ってお客様により満足してもらう事が大事です。

そのために、目に見えない温度というものを可視化することはとても重要ですので、温度計の購入も検討してみてください。

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