HACCPに関する資格
HACCPを導入しようとすると、社内に一人は専門的な知識を持った人が欲しいですよね。
ちなみに、HACCPを導入するにあたり有資格者がいなければならないかと言うとそうではありません。HACCPに関する資格をだれも持っていなかったとしてもHACCPは導入できますのでご安心ください。
そんな時に、HACCPに関連する資格を取得させて社内のHACCP専門家にしようと考えるのではないでしょうか。
HACCPに関する資格はいくつかありますが、国家資格はありません。すべて公的団体が実施する資格となります。
その中でもよく知られている資格は下記の3つです。
①HACCP普及指導員(公益社団法人日本食品衛生協会)
②HACCP管理者資格(日本食品保蔵科学会)
③HACCPリーダー(一般財団法人日本要員認証協会)
本日はこちらの3つの資格について解説をしていきたいと思います。
HACCP普及指導員とは
HACCP普及指導員とは、公益社団法人日本食品衛生協会が認定している資格です。
HACCP普及指導員は、HACCPに関する知識を有し、HACCPの構築や検証を行うことができ、中小事業者のHACCP導入のニーズに応えられる人材です、と定義されています。
中小事業者を対象としており、「HACCP指導者研修会」を修了した後に申請をすればHACCP普及指導員に登録できます。
ただ、HACCP指導者研修会はだれでも受けられるわけではなく、下記のように条件があります。
「HACCP専門講師養成講習会修了者、HACCP責任者養成研修会修了者または同等の研修を受講した方で、HACCPの運用の実務経験のある方、ならびに、食品衛生監視員OBの方で食品等製造施設に対するHACCPの指導助言のご経験がある方」
また、全2日の研修会ですので2日とも参加できることが条件となっています。
普段からHACCPに関する実務に関わっていれば、取得するのはそれほど手間ではないですが、これからHACCPを導入しようとしている会社ですと、すぐには取得できないのでご注意下さい。
HACCP管理者資格とは
HACCP管理者資格とは日本食品保蔵科学会が行っている資格です。
こちらの資格は、実務経験がなくても取得をすることができます。
その代わり、HACCP管理者資格を取るには食品・衛生・化学などに関する単位を24単位取得していなくてはなりません。
関連する学部の大学でしたら簡単ですが、経済など文系大学卒の場合は少し難しいかもしれません。
その後、学会が主催するワークショップに3日間参加すると資格を取得することができます。
資格取得後は4年に1回更新をしなくてはなりません。
変化の激しい食品衛生業界ですので、更新制度があることにより一層の信頼が高まると思われます。
HACCPリーダーとは
HACCPリーダーとは一般財団法人日本要員認証協会が行っている資格です。
HACCPリーダーとは「該当する組織において、食品安全システムの構築、
運営を中心的に行なうことができる者をいう。」と定義されています。
HACCPリーダーを取得するには、食品安全マネジメント分野に係る半年以上の実務経験、又はこれと同等以上の教育を受けているこ、とされています。
条件を満たしている人が、協会が主催する研修コースを修了した場合に、HACCPリーダーとして登録できます。
最後に
HACCP導入をするだけでしたら資格は必要ありません。
ただ、HACCPは手順に則って導入すれば終わりというわけではなく、食品事故を無くすことが目的です。
そのためには、衛生管理に対する深い理解が必要となってきます。
形式的に導入したHACCPではなく、深い衛生管理に対する理解をもとに導入したHACCPで食品事故ゼロを目指しましょう。
どの資格も研修が数日にわたっているため社会人にはなかなか受講が難しいかもしれません。
しかし、HACCP成功のために、確かな知識を持った担当者がいるとその後の効率も格段に良くなってきます。
研修には人的なコストが発生してきますが、その後の効率化を考えると決して損にはならずむしろ特になるでしょう。
出来るのであれば、HACCP導入の準備段階で資格を取得しておくことをお勧めいたします。