配送中の温度管理の重要性

食品を製造してお客様に出荷をする際には、必ずトラックなどでの輸送が発生します。
工場での製造中はHACCPや一般衛生管理に則り温度管理をしていても、輸送中の温度管理までは手が回っていないケースは多いです。
冷蔵トラックであれば、しっかりと冷やされているからと安心してはいけません。
以前、大手運送会社の冷蔵便がしっかりと冷やされていなくて、荷物が腐ってしまい大問題となったことがありました。
それを機に多くのの運送会社やゆうパックなども、必ずトラックの冷蔵庫に温度計を取り付けるようになりました。
また、街を行くヤクルトレディはバッグをいくつも持っていますが、それぞれに温度計が取り付けられて、一定以上の温度になったら廃棄するように仕組みが作られています。
温度管理がしっかりしている会社を食品が離れる時の温度管理はとても重要です。
今回は、配送中の温度管理の方法について解説していきます。
トラックの中の温度管理とは

配送中の温度管理の簡単な方法は、冷蔵庫用温度計を取り付けることです。ここでは、配送中の温度管理ができる温度計を紹介します。
最高最低温度計

最高最低温度計は、測定を開始したときから現在までの「一番高かった温度」と「一番低かった温度」が表示されます。
出荷時にトラックに設置して、配送を終えて戻ってきたときに温度を確認すれば、異常な温度になっていなかったか確認可能です。
簡単に温度測定できて、価格も安いというメリットがありますが、時間ごとの温度変化は把握できません。
【プロが選ぶ】冷蔵庫用温度計のおすすめ10選!設置の注意点も解説!
データロガータイプ

データロガーは温度の推移を記録して、後からパソコンにデータを映してグラフで表示できる温度計です。
記録間隔は1分毎や5分毎など自由に設定できるため、細かく温度管理が可能です。
客先から温度データの提出を求められても、パソコンのデータを印刷するだけで提出できます。
最高最低温度計と比べると価格は上がりますが、より適切な温度管理ができるでしょう。
記録に便利なデータロガー、冷蔵庫の温度管理にピッタリ?
配送中の温度測定時の注意点

配送中の温度測定をする際には、注意点がいくつかあります。
温度計の動作範囲を確認する
電池で動作している温度計は、一般的に-10℃以上で使用が可能です。
-10℃以下になると電池が発電しなくなり、温度計も動かなくなります。
冷蔵車であれば問題ありませんが、冷凍車の場合は-10℃以下となることがほとんどなので注意が必要です。
冷凍車の温度管理をする場合は、-10℃以上となる場所に本体を設置して、センサー上のコードだけ冷凍室内に入れるようにしましょう。
また、配送時間が長くないのであれば、発泡スチロールの箱の中に温度計を入れて、保温剤代わりにすることも可能です。
結露に注意
配送が終わり温度データをチェックする際に、トラックから温度計を取り出すのであれば結露に注意しましょう。
冷蔵室と外気の温度差で、たちまち結露が発生して温度計内部の基盤が濡れてしまうため、故障する確率が格段に上がります。
温度データをチェックする際は、温度計が常温に戻ってからトラックの外に出すか、トラックの中で温度の記録を確認するといいでしょう。
衝撃に注意
配送中は道路の凹凸などでトラックが揺れて、温度計に衝撃がかかることがあります。
温度計は精密機器なので衝撃がかかると、不具合や電池の接触不良により、記録が中断される可能性があります。
道路状況が悪い道を走行するのであれば、箱の中に緩衝材などを入れて、その中に温度計を設置するといいでしょう。
ただし、センサーを外に出せる温度計でないと、箱の中の温度測定をしてしまうので注意が必要です。
まとめ
トラックで輸送する際の温度管理の重要性について解説しました。
配送中の食品の温度管理には、最高最低温度計やデータロガーがおすすめです。
配送中は、‐10℃以下にならないようにする・結露・衝撃などに注意するといいでしょう。