果物の甘さの測定
最近はスーパーの果物コーナーに行くと、この果物の甘さは7度です。という表記がしてあるのを見たことが無いですか?
甘さがどれくらいか書いてあると、どれくらい甘いのか想像でき購入の目安にもなりますよね。
今は多くのスーパーで甘さを記載しているのではないでしょうか。
あれは屈折計という測定器を使って糖度の測定をしています。
屈折計ってあまり聞きなれない言葉ですよね。
どんな製品でどのような原理になっているのでしょうか。
本日は、屈折計について解説したいと思います。
屈折計とは
屈折計とはその名の通り、光の屈折を利用して液体の濃度を測定する測定器です。
屈折計はこのような製品です。
上部の丸い穴に果物などの液体を垂らすだけで測定ができます。
原理を簡単に説明すると、
水の中に入ったストローを外から見ると、ストローが水の境目のところで曲がって見えますよね。
これは水に入った光がまっすぐは飛ばずに曲がってしまうからです。
この曲がり具合は濃度が高ければ高いほど大きくなります。
そこでこの光の屈折具合で水の濃度が分かるというわけです。
原理はとても単純ですよね。
ただ、勘がいい人は気が付いたかもしれませんが、それだと水に溶け込んでいるすべての成分の濃度となります。
決して糖分だけの濃度ではありません。
それではなぜ果物を測定すると糖度と言えるのでしょうか。
それは、果汁にはほとんど糖分しか含まれていないためです。
そのため、果汁を測定したらその数値は糖度と言えるのです。
例えば、80mlの水に10gずつの砂糖と塩を溶かしたら、糖度は10%・塩分濃度は10%です。これを屈折計で測定すると砂糖と塩を合わせた20%と表示されます。
いろいろな成分が溶け込んだ液体を測定する場合は、糖度とはならないことに注意しましょう。
糖度が測定できないからと言って果汁以外を測定できないわけではありません。
例えば煮物の煮汁の測定をすれば、塩分が何%かは分かりませんが溶け込んでいるすべての成分の濃度が分かります。
煮汁の濃度を何%にすると規定を作っておけば、毎日同じ味で煮物を作ることが出来ます。
また、ラーメンスープを作るときなども各工程で濃度を測定していけば、味を均一にすることが出来ます。
出汁を薄める際にも、濃度を測定すれば一定の濃さにすることができます。
液体の濃度測定をするといろいろな事に使えるため、あなたの職場でもどのように使う事が出来るか検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめの屈折計
こちらはアタゴのPAL-1です。
屈折計と言えばアタゴです。日本でNo.1のシェアをもつメーカーで世界的にも有名です。
その中でも売れ筋なのがこちらのPAL-1です。
測定範囲が0~53.0%までととても広いです。
53%というとというと、ウナギのタレや団子のタレくらいの濃さです。果物は10%前後が多いのでかなり広い範囲を測れることが分かります。
普通の厨房で使うには十分すぎるくらいの測定範囲があります。
また精度も±0.2%ですので必要十分でしょう。
こちらは同じくアタゴのPALコロナ消毒液%チェッカーです。
こちらは新型コロナウイルスの影響で品薄になっている消毒液を自分で作るための屈折計です。
消毒液が売っていないので、薬局で無水エタノールを買ってきて自分で薄めて使う人が増えているようです。
しかし、薄め具合を間違えてしまうと消毒効果がなくなってしまいます。
そこでこの屈折計を使って正しい濃度で使っていただこうと開発された製品です。
消毒液専用の補正がされているため基本的にはほかの液体で使用することはできません。
さいごに
屈折計の解説、いかがだったでしょうか。
非常に分かりやすくて面白い製品ですよね。
スーパーでの果物の糖度チェック、厨房での煮汁などの濃度チェック、ご家庭での塩分チェックなどいろいろなところで使う事が出来ます。
味の均一化を図るには、濃度を知ることが大事です。
いつでも同じ味で提供するために、屈折計の導入を検討してみてはいかがでしょうか。