距離係数ってなに?
こちらはA&DのAD-5614です。
この製品を例に距離係数について説明していきたいと思います。
下の図をご覧ください。
AD-5614の製品ページより参照
この図がとても分かりやすいのですが、AD-5614の距離係数は12:1です。
放射温度計は測定対象から離れていても測定ができますが、離れれば離れるほど測定する範囲が広くなってしまいます。
距離係数12:1の場合は120cm離れた場所から測定をすると10cmの円の中の平均温度が表示されます。
距離が半分になって60cmの距離から測定をすると5cmの円の中の平均値が表示されます。
ピンポイントの測定ではないんですね。
カメラは距離が離れれば離れるほど広い範囲の写真が撮れますが、放射温度計は離れれれば離れるほど広い範囲の温度を測定することとなります。
放射温度計はどのあたりを測定しているのか分かりやすくするために、上記の写真のようにレーザーマーカーが出ます。
このレーザーマーカーは測定している範囲の中心あたりを示しています。ただ離れていてもレーザーマーカーが大きくなるわけではなくあくまで中心あたりをポイントでしか示しません。
そのため取扱説明書を読まないで使用を始めてしまうと、レーザーマーカーがあたっている場所をピンポイントで測定しているんだと勘違いしてしまします。
レーザーマーカーはあくまで中心付近を示しているだけであって、本当はその周りを円形で測定しています。
㈱佐藤計量器製作所の放射温度計の製品ページより参照
上記の図は四角が測定したいもの、丸が放射温度計で測定する範囲を表しています。
距離係数を頭に入れないで測定をすると一番右の図のように測りたいものより大きい範囲を測定してしまいます。
例えばまな板の上に乗せた肉を計ろうとした場合には、肉の温度だけではなくまな板の温度も測定ししまいます。
これでは全然違う温度を測定してしまうので、距離係数は必ず頭に入れておきましょう。
どうやって距離係数を選べばいいの?
こちらはA&DのADー5614です。
距離係数は12:1となっています。食品の測定の場合はこれくらいあれば十分でしょう。
またオプションで中心温度計のセンサを購入すれば、それを接続することもできますので1台2役で使用することができます。
値段も実売価格で1万円ほどですのでお手ごろです。
こちらは佐藤計量器製作所のSK-8300です。
距離係数が50:1ととても高い数値になっています。
5メートル離れた場所から測定しても10cmの円の範囲の測定ととても小さく測定できます。
金額は3万円を超えてくるので少し高いですが、離れた距離からの測定が多い方には測定ミスをなくすためにもこちらの放射温度計がオススメです。
放射率も0.01毎に設定が可能で液晶のバックライトやアラーム機能なども付いているのでとても高機能な放射温度計です。