安定した湿度の標準器 アスマン式通風乾湿計

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温湿度管理の重要性

厨房・食品工場の現場内の温湿度管理はしているでしょうか?

食材の劣化防止やウイルス感染症対策などで、現場の温湿度管理の重要性は高まっています。

私が今まで訪問した食品工場の現場では、ほとんど温湿度の管理はしていませんでした。

温湿度計自体が置いていないか、置いてあっても何年前のものか分からないくらいの温湿度計が置いてあることがほとんどです。

その温湿度計は大丈夫!?ずっと放置したままになっていたら危険

温湿度管理をすることは衛生管理にも役立つので本日は温湿度計の標準器についてご説明いたします。

温湿度計を設置する理由

標準器の前になぜ温湿度管理をするのかという事についてお話ししたいと思います。

まず、一番大きな理由は雑菌の繁殖を防ぐためです。

ほとんどの食中毒菌は10℃~45℃の間で繁殖活動が活発になり、その中でも特に活発に増殖するのが30~37℃です。

また、湿度が高くなるとカビの繁殖が活発になります。ゴキブリやハエなども発生するようになります。

そのため、温度は23℃前後、湿度は40~60%rhに保つことが重要です。これは人が快適に感じる温湿度でもあります。

温湿度計を設置して空調や加湿器を使って管理をするようにしましょう。

この時、厨房や現場が広いと温湿度計を何台も設置しなくてはなりません。

台数が多いほど校正に費用がかかってしまうので、自社で校正をして費用を抑えるのはどうしたらいいでしょうか。

温湿度の基準器 アスマン式痛風乾湿計

温湿度計の基準器はアスマン式痛風乾湿計というものを使います。

これがアスマン式通風乾湿計なのですが、これでどうやって温湿度を測るの?って感じですよね。

これは真ん中の部分に2本の水銀温度計が付いています。

一本は普通に気温を測定します。もう一本は水で濡らしたガーゼが巻き付けてあります。

そうするとガーゼが巻き付けてあるほうは、気化熱といって水が気化するときに温度計から熱を奪っていきます。

そうすると二つの温度計に温度差が生まれます。

この温度差を湿度に換算して測定をします。

また、上部にはファンがついており温度計に常に風を送り続けます。こうすることにより安定して水の気化を促すことができます。

アスマン式痛風乾湿計は昔から温湿度の基準器として使われており、気象庁検定付きの製品もあります。

デジタルの温湿度計は湿度センサにチリやホコリが付着すると精度が落ちてしまいます。

しかし、水銀温度計はとても劣化しにくいため標準器として長くつかわれています。

おすすめのアスマン式通風乾湿計

こちらは佐藤計量器製作所のSK-RHGです。

通常は三脚で吊るして測定することが多いのですが、結構スペースを取ってしまいます。

SK-RHGにはスタンドタイプ(上記の写真がスタンドタイプです)があり省スペースで測定できます。

また、ホームページで換算ソフトも公開していますので、とても使いやすい製品となっています。

こちらは柴田化学のゼンマイ式のアスマン式通風乾湿計です。

佐藤計量器のSK-RHGは電池でファンを動かしますが、こちらはゼンマイ式のため電池が不要です。

また、三脚式タイプとなります。

電池の交換が面倒だったり、使う場所が防爆環境だったらゼンマイ式を選ぶことにしましょう。

そのような環境で校正をするか

アスマン式痛風乾湿計を購入したはいいが、どうやって校正したらいいか分からないという人もいるでしょう。

そのようなときは下記の事に注意して校正をしてください。

まず、アスマン式通風乾湿計がしっかりと反応するまでには30分ほどかかります。0.1℃まで安定するようにしっかりと反応させましょう。

次に、校正をする場所ですが、空調の風・窓やドアから屋外の空気が入ってくると温湿度が安定しません。ほかの場所から空気が入ってこない状態で校正を行うようにしてください。

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