熱中症ってなに?
人間は通常 暑さを感じたときに汗をかき熱を体外に放出しています。連続して長い時間、高温下にいたり強い運動などによって熱を放出しきれなくなると、熱が体の中にこもってしまいます。
これにより頭痛・めまい・倦怠感・口の渇きなどさまざまな症状が出てきます。熱によっておきるこれらの症状を総称して熱中症と呼んでいます。
みなさんが普段働く厨房は熱源があるので熱くなりやすく、湿度も高い環境です。水が蒸発をするときに熱を奪っていく現象を気化熱といいますが、人間の汗が蒸発するときに、この気化熱により体温を下げる効果が生まれます。
湿度が高い環境だと汗が思うように蒸発していかないため、身体の中に熱がこもりやすくなってしまいます。
そのため、高温多湿な厨房は熱中症の発生がとても高い環境と言えるのです。
熱中症の危険度を示すWBGT指数とは
それでは厨房がどれくらい危険なのかどのように測定したらいいのでしょうか。
それにはWBGT指数というものを使います。
WBGTはWet Bulb Globe Thermoの略なのですが、日本語では湿球黒球温度と言います。
湿球温度と黒球温度というものがありまして、
湿球温度はガラス温度計の下部にガーゼを被せて水で濡らした時の温度です。水で濡らしたことにより温度が下がります。この温度を湿球温度と言うのですが、これと気温の差で湿度が分かります。
黒球温度というのはガラス温度計の下部に金属製の黒い球を被せます。こうすることにより輻射熱(太陽光などいろいろなところから反射されてくる熱)を加味した黒球温度を測定することができます。
人が屋外で立っていると気温だけではなくいろいろなところからの熱を受けます。黒球温度は人が屋外で立っているときの体感温度を表しています。
そのため、湿球温度と黒球温度を加味して熱中症のなりやすさを求めることにより、気温・湿度・輻射熱を考慮した指数となるわけです。
ただガラス温度計を使用してWBGTを測定するのはかなり手間がかかりますので、実際はデジタルでお手軽に表示ができる熱中症指数計を使うことになります。
WBGT指数は温度と同じように℃で表示されます。WBGT30℃となっていたら温度ではなく熱中症のなりやすさです。

上記は厚生労働省が出している、WGBTの危険度をあらわした表です。
例えばWBGT指数が33℃(熱に順化している人)になった場合、絶対に安静にしていないと危険になります。30℃(熱に順化している人)の場合は楽な座位、軽い手作業をしていると危険となってきます。
WGBT指数はこのように活用するのですが、危険となる数値になった場合は休憩を入れたり、塩分を補給するなど対策を行うことができます。
熱中症指数計にはどのようなものがあるの?
こちらはタニタのTT-562GDです。
ここ数年はこのような小型の熱中症指数計が主流となってきています。TT-562GDはアタッチメントが豊富で、ベルトを使い腰に付けたり、ヘルメットに付けたり、首からぶら下げてつけたりと豊富です。
熱中症はあなたがいるその場がどれくらいの危険度なのかを測ることがとても大事です。そのため、このような一人ひとりが持ち運ぶことができる製品が重宝されます。
また、指定のWBGT指数になったらアラームを鳴らすことができます。アラームがなったら休憩をする・水分を取るなどあらかじめ決めておけば熱中症を未然に防ぐことができます。
金額も安いので厨房だけではなく、ご自宅での使用もオススメです。特に赤ちゃんがいる家庭などでは散歩の時に持ち運ぶなどいろいろと活用できます。
こちらはA&DのAD-5696です。
タニタのように持ち運びはしないけど、机に置いて使いたいというときはこちらがオススメです。
温度・湿度・熱中症の表示があり、データロガー機能も付いているので後からパソコンで数値の推移を見ることもできます。
こちらを一台机に置いて管理をして、作業員の方にはタニタの持ち運び熱中症指数計を持たせて体調管理をする何ていう事もできます。
食品の衛生管理も大切ですが、同じように社員・作業員の方の体調管理も大切です。
WBGT指数で熱中症のなりやすさを管理して、無事故でみんなが楽しく働ける厨房にしていきましょう。