中心温度計の選び方②センサー

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標準センサーだけではだめなの?

中心温度計の販売ページを見るとセンサーの種類がいくつもあることに気が付きます。もともと付属している標準センサーだけではだめなのでしょうか?

標準センサーで基本的に食品の温度測定の大半はカバーできます。ただ、用途にあったセンサーを選定すれば、より長い間使えたり不自由を感じなくなります。標準センサー=汎用性がある、オプションセンサー=専用用途とお考えください。

本日はそんなオプションセンサーを解説したいと思います。

基本的にオプションセンサーがあるのは分離型の温度計となりますので、中心温度計の選び方①で例に出した佐藤計量器製作所のSK-270WPを例にご説明したいと思います。

オプションセンサーにはどんなものがあるの?

オプションセンサーを説明する前にまずは標準センサーがどんなものか説明しなくてはなりません。

こちらはSK-270WPの標準センサーS270WP-01です。

感温部(先端の針状のところです)が太さφ3×長さ100mmとなっています。他メーカーの標準センサーもだいたい同じような寸法です。

この長さは非常に使いやすく、食材に感温部を刺しての測定や液体に浸けての測定など幅広い用途で使うことができます。ただ、感温部がそれほど長くないので測定対象に手を近づけて測定しなくてはなりません。そのため、油のように熱かったり飛び跳ねたりするものの測定には向きません。

そんなときは下記のようなセンサーを使います。

こちらはS270WP-03です。

感温部がφ3×400mmと長いため熱いものを測定するときでも手を近づける必要が無いためやけどの危険が少なくなります。大事なパートさんを怪我から守るにはこのようなセンサーを1本持っておくといいかもしれませんね。

また寸胴なべのような深さのあるものを測定したい場合でもこれくらいの長さがあれば下のほうまで測定することができます。

そして長いことの一番のメリットはセンサーが蒸気にあたらないことです。

食品用の温度計のほとんどはJISの防水等級に準拠した防水型となっています。そのため、鍋から出る蒸気に当たっても大丈夫だろうと思って使う人が多いのですがそれは間違いです。

JISの防水等級はあくまで水に対する防御機能です。それは温度計の取扱説明書にも必ず書いてあるので蒸気にあたって不具合が起こったとしてもたいていの場合は保証されません。

一番多いのが感温部と持ち手の間の繋ぎ目のところから蒸気が内部に入って不具合を起こすことです。このような温度計は電気の抵抗値を利用して温度測定をしているため、水分が浸入するとそれが完全に狂ってしまい明らかにおかしい温度を表示します。

既に中心温度計を使用されている方はそのような経験があるのではないでしょうか。

そこで、S270WP-03のように感温部が長くなっていれば、蒸気から感温部と持ち手の繋ぎ目の部分が蒸気から離れることができるため不具合を起こす可能性はとても少なくなります。

冒頭で標準センサーでも大半の測定は可能だが長く使いたいなら用途に合ったセンサーを選ぶのがいいと言ったのはそのためです。

次にご紹介するのはS270WP-04です。

こちらは感温部がφ2×150mmとなっており、標準センサーのφ3よりも細くなっています。

実はこの細さが重要で、温度計の反応速度というのは感温部の太さに影響されます。

φ3がφ2になるだけで大きく反応速度が変わってくるので少しでも早く測定したいと言う方にはこちらのセンサーがオススメです。

こちらはS270WP-06です。

感温部が φ2×L45mm + φ3×L55mm と面白い形状をしています。

先端はφ2と細いのですが根元の部分はφ3になっています。なぜこのような形状になっているかと言うと、センサーの強度を保つためです。

φ2のセンサーは当然反応速度は早いのですが細い分強度が落ちてしまいます。しかし食品を測定する上では野菜だったり半冷凍のものだったり硬いものを測定する場面も多いです。

そんな時に早く測定したいけどセンサーが壊れるのは困ると言う人にオススメです。根元がφ3のためある程度の強度があり、先端は細いので反応速度も早いと言う優れものです。

ただし、いくらなんでも完全に凍っているものには刺せないので、そのような場合には事前にキリなどで穴を開けてから測定するようにしましょう。

最後に変り種の紹介です。

投げ込み用センサーS270WP-31です。

その名の通りずっと水に水没させたまま使用することができます。

他の製品も防水だから水没させることができるんじゃないの?と思われるかもしれませんがそうではありません。

たいていの温度計は水に浸けて丸洗いもできます。ただ、長い間水没させることはできません。

防水にもいろいろあるんです。

ただ、こちらの投げ込みセンサーはずっと水中に沈めておくことができます。そのため、標準センサーだったらいちいち水に感温部を挿入して反応するまでしばらく待たなくてはなりませんが、投げ込みセンサーだったら本体の電源を入れた瞬間に現在の温度を表示します。

忙しい調理場で一手間省ける製品はとても重要です。

このようにいろいろあるオプションセンサー。今回の佐藤計量器製作所以外にも同じようなセンサーを扱っているところはありますので、ぜひ使用用途にあったセンサーを選定してください。

ちなみに本体は標準センサーが付属していないものもありますので、標準センサーがいらない人は本体のみを購入するようにしてください。

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