【7原則12手順】手順8(原則3)管理基準の設定

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管理基準の設定とは

前回は危害要因の中から、ここだけは何としても守るというCCP(重要管理点)を設定しました。

今回はCCPをどのような数値で管理をするかというCL(管理基準、Critical Limit)を設定します。

なんだか、横文字ばかりで覚えるのが大変ですね💦

そういう時は何の単語の頭文字なのか、という事を頭に入れておくと覚えやすいと思います。

CL=Critical Limit(クリティカルリミット)

CCP=Critical Control Point(クリティカルコントロールポイント)

ほら何となく頭に入った気がしませんか?

慣れればぱっと出てくるようになりますので、頑張りましょう。

CLとは、重要管理点において必ず守らなくてはいけない基準の事です。この基準を外れてしまうと食品の安全が確保できないという限界の値です。

CL(管理基準)の設定の仕方

管理基準は科学的な根拠が必要です。

自社でこの食材を加熱するときの中心温度は70℃くらいかな~と決めた値が、実際は病原微生物を死滅させるには足りなかったとしたら、不適合な食品を製造し続けてしまう事になります。

そのため、必ず何らかの科学的な根拠がある値をCLにしてください。

CL(管理基準)の数値には科学的根拠が必要

科学的根拠ですが、例えば食品衛生法などで加熱殺菌条件が定められている場合は、それを根拠と出来ます。

また、食品産業センターが提供している危害要因データベースでも科学的根拠が示されていますので参考としてください。

また、基準の設定の際に気を付けなくてはならないことがあります。

しっかりした衛生管理=おいしさという訳ではありません。

例えば、ステーキの調理をする際に中心温度は75℃以上1分間で加熱するというのが一般的です。

しかし、実際には75℃を大幅に超えて90℃などで加熱していることがよくあります。

加熱をしすぎると肉は固くなってしまい、おいしさも半減するでしょう。

そのために、食品に合わせて上下限も設定しておく事が必要です。

例えば、75℃以上85℃以下とするなど、食品のおいしさが損なわれない範囲で設定をしましょう。

これを、75℃以上77℃以下など狭い範囲で設定してしまうと、現場での調理が困難となってしまうので、科学的根拠は満たした上で柔軟な数値を設定するようにしましょう。

具体的な基準例

温度管理の場合

①食品の中心温度75℃以上で1分加熱する

②オーブン内の温度を200℃以上にして5分加熱する

③ベルトコンベアの場合

 ベルトが動く速度が分速100cmであること

金属探知の場合

①1時間に1回金属探知機による検査を行う

 感度は〇〇として、ステンレス3.5mm以上、鉄:2.5mm以上を感知し、排除できること

このようにCLを設定していきましょう。

先ほどもお伝えしましたが、この具体的な基準は科学的な根拠に基づいている必要があります。

また、このように数値化をする事で誰が作業を行っても一律の基準で判断をする事が出来ます。

かなり手間のかかる作業ですが、根気よく作成をしていきましょう。

さいごに

本日はCL(管理基準)の設定を行いました。

CLは適当な数値を設定するわけにはいかないので、なかなか気を使う作業です。

しかし、ここの設定を適当にしてしまうと、これまでの作業が水の泡になってしまいます。

CLには必ず科学的根拠が必要だという事を常に頭に置いて作業をしていきましょう。

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