危害要因の分析 前回のおさらい
前編では、危害要因の洗い出しと重要度の分析を行いました。
まず、危害要因は①生物的、②化学的、③物理的に分けられます。
製造工程一覧図を基に自社の製造ラインでは3つに分類される危害要因のどれが発生する可能性があるかを検討していきます。
そして、考えられるすべての危害要因を挙げたら、重要度を決定していきます。
重要度は発生確率×重篤度(健康被害の深刻さ)で算出することが出来ます。
前回がここまででした。
残りは、重要なハザードを特定する・重要なハザードの管理手段の検討を行います。

重要なハザードの特定
列挙した危害要因について重要度の分析をしました。
その結果をもとに重要なハザードを特定します。
ここでは重要度の数値だけで決めるのではなくて、総合的な判断が必要になります。
例えば、発生確率は低かったとしても、重篤度が高ければ重要なハザードとしても良いでしょう。
また、原材料に病原微生物が混入していたとしても、その後の工程に加熱があるのであれば必然的に病原微生物は死滅しますので、重要なハザードとはなりません。

こちらは厚生労働省のホームページに掲載されている、コッペパンの製造工程での危害要因リストです。
(1)でどこの工程・原材料で発生する可能性があるのかを記載して、(2)で3つの危害要因毎に何が発生する可能性があるのかを検討しています。
そして、(3)で重要なハザードかどうかを検討して、(4)でその判断をした理由を記しています。
重要なハザードの管理手段
重要なハザードを特定したら、次はその管理手段を検討します。
先ほどの表で重要なハザードとなった、小麦粉への金属片の混入は(5)を見ると後の工程の金属探知機で管理とされています。
この様に重要な危害要因毎に管理方法を決めていきます。
管理手段は食品産業センターが公表している危害要因データベースを参考にするととても捗ります。
例えば、果実類を非加熱で提供すると検索をすると、考えられる危害要因が一覧で出てきます。

↑「果実類」を「冷蔵冷凍(非加熱)」で検索をする。

↑考えられる危害要因が一覧で出てくる

例えば、2ページ目に掲載されている「不適切な洗浄あるいは消毒による病原微生物等の生存」をクリックすると何故 病原微生物等が生存する可能性があるのか、どのように管理したらよいのかが詳しく出てきます。
なんて便利なデータベースでしょう。
果物を提供する場合、原材料に病原微生物が付着していた場合、重要なハザードとなる可能性があります。
しかし、その後の工程で洗浄をすれば危害要因は取り除けると判断できます。
この様にデータベースを活用していきましょう。
管理方法についてはお金をかければ大抵の事が出来ます。
しかし、そのように資金の余裕がない会社がほとんどでしょう。
金属片の混入を防ぐ場合、金属探知機を導入すれば手間もかからず金属の混入を発見できます。
しかし、金属探知機の導入費用が無い場合はどうしたらいいでしょうか。
それには、金属片が混入するリスクを減らす必要があります。
例えば、加工をしている機械に破損が無いかを毎日点検したり、そもそも混入の可能性があるものを作業場に置かないなど対策をする事が出来ます。
対策をするには必ず設備を導入しなくてはならないわけではありません。
自社でできる対策を考えて実践していきましょう。
さいごに
危害要因分析~後編~では重要なハザードの特定と重要なハザードの管理方法についてご説明いたしました。
重要なハザードの特定には、求めた重要度の数字だけではなく総合的な判断が必要になります。
また、重要なハザードの管理方法は危害要因データベースを参考にしてどのような管理ができるかを検討していきましょう。
次回は、重要なハザードの中からCCP(重要管理点)を設定する作業に入っていきます。
HACCP導入の上で重要なところが続いていきますが、一緒に学習していきましょう。