【7原則12手順】手順12(原則7)記録と保存方法の設定

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記録と保存方法の設定とは

HACCPは記録が大事、という事を聞いたことがあると思います。

記録をする事により、HACCPを実施したという証拠が残ります。

また、万が一製造した食品に何か問題が発生した場合にも、記録をさかのぼってどこに原因があったのかという事を判断できます。

何も記録を取っていないと、原因の追究が出来ないどころか、言いがかりのようなクレームを付けられた場合に、しっかりと管理をして製造していたという証拠を出せないので反論もできなくなってしまいます。

記録は食品の味や衛生状態には直接かかわってこないことですが、記録を付け忘れたり、後回しの作業となってしまわないように注意しましょう。

記録をする事でしっかり製造していたことの証拠になる

何を記録するのか

それでは具体的に何を記録に残していったらよいのでしょうか。

名古屋市のHACCP導入のための手引書

http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000099/99473/HACCPtebiki.pdf

こちらは名古屋市が作成した加熱時のCCPの記録例です。

管理基準(CL)は中心温度75℃以上1分加熱ですので、これがしっかりと満たして調理できたかという事が分かる記録が必要です。

そのため、記録をしなくていけないのは温度と時間です。

また、後から見返したときに、いつ・何を・誰が確認したのかも分かる必要があります。

そうすると、記録が必要なのは上記の表のとおりとなります。

保存期間も一緒に設定してしまいましょう。

製造した食品の賞味期限または消費期限に応じて合理的な期間保存する必要があります。

出荷先やその先で加工食品の原材料となる可能性のあるものは、そのことも考慮して記録の保存期間を設定しましょう。

法令では下記の通り保存期間が定められていますので参考としてください。

農林水産省のホームページより

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trace/pdf/manual-seizou4.pdf

記録を付ける際の注意点

記録を付ける際は以下の点に注意しましょう。

①鉛筆で記入すると、消しゴムで簡単に修正が出来るため、信頼性を欠くことになります。

記録の際はボールペン等の簡単に消せないものを使用します。

②訂正する場合は2本製で消し、その上に正しい記録を記載します。その際、訂正者の氏名、訂正年月日を記載します。

③記録はデータを取ったらすぐに記録します。予測や記憶による記載をしてはいけません。

④記録に不備を発見した場合は、所要の措置を実施し、その内容を記録し保存します。

⑤記録は第三者が点検します。

データによる記録の保存

ここまでは紙に手書きで記録する事を前提にお話ししてきましたが、データで保存ができるものもあります。

手書きで記録する方法は昔から行われていますが、筆記用具を現場に持ち込む必要がありますので、あまり衛生的ではありません。

また、記録した紙はバインダーなどに綴じておきますが、量が増えてくると保管場所を取ってしまいます。

最近ではデータロガーと言われる、記録をパソコンに移せる製品もありますので活用をしていきましょう。

記録に便利なデータロガー、冷蔵庫の温度管理にぴったり?

こちらの記事では冷蔵庫の温度管理用に温度データロガーをご紹介しています。

冷蔵庫でしたらセンサーを中に差し入れておくだけで、自動で温度を記録してくれますので、データロガーの使用に向いている例です。

反対に、中心温度は食品ごとにセンサーを食材に刺さなくてはならないため、データロガーでの記録にはあまり向いていません。

今後、便利な中心温度計用ロガーが発売される可能性はありますが、今のところは見当たりません。

さいごに

今回でずっと行ってきたHACCP導入のための7原則12手順は御終いです。

最後の記録はHACCPのPDCAサイクルを回していくには欠かせないものです。

一度HACCPを組み立てただけでは、自社に合ったHACCPにはなっていないでしょう。

記録をして検証を行っていく事で、だんだんと自社に最適なHACCPへと成長していきます。

記録は後回しにせず、しっかりと正確な記録を残せるようにしていきましょう。

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