【7原則12手順】手順10(原則5)改善措置の設定

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改善措置の設定とは

前回までで、CL(管理基準)を定めてどのようにモニタリングをしていくかを決めました。

今回は、モニタリングした数値がCLから外れてしまった場合にどうするかという事をあらかじめ決めておきます。

CLから外れてしまった場合にどうするかというのは、もちろん元のだたしい状態に戻すことです。

食品の現場では、製造方法については作業員の方に対して十分に教育されている事がほとんどです。

しかし、問題が発生した場合にどのように対処するかというのは決められていないことがあります。

多くの場合、管理者が出てきて対応をするのでしょうが、ここでは改善措置を定めて誰でも対応できるように決めておく必要があります。

改善措置の設定方法

改善措置には下記の2つの目的があります。

工程の状態を元に戻すこと

CLから逸脱してしまった状態で製造を続けると当然ながら、安全性に問題のある製品が出荷され続けてしまう事になります。

そのため、なぜCLから外れてしまったのか原因を調べます。

温度の基準が守られていなかった場合には、温度計に問題があるのか、調理に使用した器具に問題があるのかを調べます。

温度計に問題があるのであれば修理に出し、調理器具の設定に問題があったのであれば設定変更を行います。

影響を受けた製品を排除すること

CLから外れているという事は、安全でない可能性のある製品という事になりますので、CLから外れた製品をラインから排除しなくてはなりません。

まずは、CLを外れた製品を特定します。

特定した製品に対して、再処理をするか廃棄するかの判断基準を設定してください。

どのような場合に再処理をしていいのか、どのような場合に廃棄する必要があるのかを決めておきます。

改善措置の記録

実際に問題が発生して、改善措置を行った場合 その内容を記録してください。

①CLから外れた製品の名称・ロット番号・数量など

②CLから外れた内容や場所・日時

③CLから外れた原因(温度計の故障・調理器具の設定ミスなど)

④工程をもとの状態に戻すために行った措置(代替の温度計で作業をおこなったなど)

⑤CLから外れた製品の処理内容(再加工したのか廃棄したのか)

これらの事を記録しておくと、後から工程を改善する必要があるのかのデータとして使えます。

HACCPのサイクルを回していくために必ず必要な資料になるので、必ず記録を摂るようにしましょう。

HACCPは導入したら終わりではなく改善していく必要があるので、記録はとても大事な要素となる

さいごに

本日は、CLを逸脱した場合の改善措置の設定をしました。

製造をしていると必ず何か問題は起こるものです。

毎日の徹底した管理も大事ですが、問題は起こるものだという認識をしたうえで、その場合にどのように改善しておくかを決めておきましょう。

ここで大事なことは

①工程をもとの状態に戻すこと

②CLから外れた製品を排除することです

これが守られていれば、一時的にCLから外れてしまったとしても、大きな問題とはなりません。

改善措置の設定は重要な作業ですので、しっかりと定めておきましょう。

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